ここだけ見る!月次試算表のチェック方法。キャッシュフロー(資金繰り)をつかむ ~ 経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方㊶
月次試算表は、現金預金、利益剰余金、資産科目、負債科目の順に確認していきます。
そして
最後に月次試算表からキャッシュフロー(資金繰り)の状況を把握します
次のように行います。
図では、現預金は1か月の間に現金預金42,000千円(前月残高)から39,000千円(当月残高)となっています。3,000千円減っていることになります。
この現預金3,000千円の減少の原因を考えていきます。
貸借対照表の科目増減は、「お金を使った」と「お金を集めた」に区分することができました。
試算表では、お金3,000千円が減少しています。「お金を集めた」よりも「お金を使った」ことが多かったので現預金が減少したわけです。
次のルールを確認します。
現金預金以外の「資産」の増減には次のようなルールがありました
「資産」の増加 ↑ = 現金預金の減少 ↓ … 「お金を使った」と考えます
「資産」の減少 ↓ = 現金預金の増加 ↑ … 「お金を集めた」と考えます
買掛金や未払金などの「負債」の増減には次のようなルールがあります
「負債」の増加 ↑ = 現金預金の増加 ↑ … 「お金を集めた」と考えます
「負債」の減少 ↓ = 現金預金の増加 ↓ … 「お金を使った」と考えます
「ここだけ見る!月次試算表のチェック方法では、①から③の順にチェックしてきました。
ここだけ見る!月次試算表のチェック方法
▶ ④負債科目の買掛金と未払金
これらの増減をまとめると次の図のようになります。
(※①~③に借入金4,000千円のみ追加しています。)
こうしてみていただくと、貸借対照表の科目の増減により現預金(キャッシュ)が減少したことがわかります。
損益計算書の利益(この場合は3,000千円)だけをみていても、キャッシュの流れ(資金繰りの状況)は理解できないことがわかります。
資金繰りの改善は、現預金の増加額・減少額の原因を月次試算表からつかみ取って、その対策を検討することが必要になります。
中小企業では試算表の数字をチェックすることで、月次決算と同じ効果を持たせるよう工夫していきます。
Every day is a new day!
冬の1日を元気にお過ごしください。
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経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です
㉒ 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい。
㉓ 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月。
㉕ 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます。
㉜ 創業者の9割は決算書を見ていない。「はじめての決算書」6つのチェックポイント
㊲ ここだけ見る!月次試算表のチェック方法。現預金の残高からチェックします
㊴ 棚卸資産と貸付金
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
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