交通事故の損害賠償金は相続財産になりますか? ~ これならわかる相続税④
金曜日は相続税をわかりやすく!
被相続人が交通事故にあい、遺族が加害者から損害賠償金を受けたとき、相続税はかかりますか?
相続税の取扱いを考えてみます
被相続人が交通事故で亡くなってしまった場合、相続人である遺族には、「交通事故の加害者に損害賠償金を請求する」権利が生じると考えます。
つまり、相続人固有の財産(損害賠償請求権・債権)と考えるわけです。
したがって、相続税法上は、被相続人が死亡したことによって、遺族(相続人)に支払われる損害賠償金は、被相続人の相続財産ではありません。
被害者が死亡したことに対して支払われる損害賠償金は相続税の対象とはなりません。
損害賠償金が被相続人の遺産でないとしたらどうなる?
損害賠償金は、遺族の所得となります。
では、所得税が遺族に課されるのでしょうか?
結論としては、所得税法上、非課税となっていますので、税金はかかりません
つまり、所得税法では、心身に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金は非課税としています。このため、交通事故などの加害者から被害者の死亡に対する損害賠償金を遺族の方が受け取った場合には、所得税はかかりません。
<参考>所得税法第9条 非課税所得
十七 損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
ということは、「相続税」も「所得税」もかかりません
被相続人が交通事故によって亡くなられた場合、相続人(遺族)が受け取った損害賠償金には税金がかかりません。
ただし、被相続人が生きているうちに損害賠償金を受け取ることが決まっていた場合
被相続人が、損害賠償金を受け取ることに生存中決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利すなわち債権が相続財産となります。
この場合は、相続税の対象となります。
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
相続税の問題や将来の相続の問題のご相談をお伺いしております。
問題をお伺いしたうえで、税務の専門家として、丁寧にアドバイスさせていただきます。
これならわかる相続税
② 相続税がかかる財産。相続税のかかる財産の範囲を確認しましょう
相続税をわかりやすく!
② 遺産の分割が決まらないときでも、相続税の申告期限が延びることはありません。
③ 亡くなった方が遺言を残していなかった場合は、遺産分割協議書を作成します。
⑩ 払いすぎた相続税を取り戻す手続き。「更正の請求」のポイント。
⑪ 子どもがいる人が再婚したとき、連れ子は遺産を受け取る権利はありません。
⑰ 長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護
㉑ 遺言よりも登記を優先。銀行など第三者が貸付金を回収しやすくなります
金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。
争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。
「相続税をわかりやすく!」の記事は
http://www.y-itax.com/category/souzoku/
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。