経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方㉚~自社でやる借入金の3つのチェックポイントと「借入金及び支払利子の内訳書」
決算書に計上するまでの借入金のチェックポイントを紹介します
借入金管理は会計業務での重要項目です。
1支払利息は適正な利率で計上していますか?
■銀行からの借入金は、借入をした際の受け取った「融資資金の明細および支払額の明細書」や「返済予定表」で利息や残高を確認します。
■金融機関以外からの借入金は、金銭消費貸借契約書と照合して、相手先、金額、返済期間、支払条件を確認します。借入利息の計上が契約書どおり、適正に処理されているかどうかをチェックします。
■役員または関係会社との金銭消費貸借契約で、著しく高いまたは低い利率での支払利息は問題があります。
<参考> 役員からの借入金の記事
・「会社が社長からお金を借りる」はこちら
・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら
2借入金の残高は定期的に確認していますか?
■決算期に、金融機関からの借入金の場合は、計算書類の残高と金融機関の残高証明書と照合します。借入金の残高の確認を行います。
■金融機関以外のからの借入金の場合は、借入先に対して自社が計上している残高を書面等で通知します。残高を確認する必要があります。
これにより、内部の不正等を防ぐことになり、借入先との後日の紛争を防止することになります。
3借入金の契約条件は明確ですか?借入契約書はありますか?
■役員や関係会社からの借入金は、利率や借入期間、返済条件が曖昧で、恣意的な内容になっていませんか?
■金銭消費貸借契約書は存在しますか?
利率や返済条件を確認し、契約書の有無を確認することにより、問題の発生を未然に防ぎます。
決算の際に「借入金および支払利子の内訳書」を作成します
金融機関や税務署は「借入金および支払利子の内訳書」を細かく確認しています。
それだけ、この内訳書から得られる情報が多いということです。
決算書に添付する「借入金および支払利子の内訳書」では、借入先ごとに借入金について、その名称と所在地および期末残高を記載します。
法人・代表者との関係も記載することになっています。また、期中の支払利息の額とその利率、借入理由、担保の内容(物件の所在地、数量、所在地等)を細かく記入するようになっています。
作成する「借入金および支払利子の内訳書」は次のようなものです。
借入金の管理とチェックは自社で確実に行い、外部に報告する内訳書は適正に作成することが大切です。
土曜日は、経営者の方が自社の決算書の数字を理解して、経営に活かせる“会計”の考え方を解説しています。
経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
【編集後記】
お彼岸です。今日は朝早く、近くの義父母の墓にお参りしました。
実父母の墓(舞鶴)へは9月の末ぐらいにお参りを予定しています。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です
㉒ 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい。
㉓ 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月。
㉕ 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます。
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説
・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」