運転資金を算出するための計算ポイントと必要運転資金~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方㉘
自社にとって適切で必要な運転資金はいくらなのか?を考える場合の標準的なルールを紹介します。
売掛金、棚卸資産、買掛金について回転月数で考えるよりも、「運転資金」で考える方がわかりやすいです。
運転資金とは、「仕入」→「在庫」→「販売」→「回収」の営業サイクルの中で、経常的に必要となる資金です
運転資金が必要となるのは、営業上の資産と負債のバランスが崩れているからです。バランスが崩れるというよりは、具体的にはキャッシュ回収までのタイムラグ。
つまり、お金の入ってくる時期が、お金が必要な時期と比べて遅れることに原因があります。
ようするに、商品を仕入れたものの、在庫や売掛金でお金が入ってこない期間の方が、仕入代金の支払いを待ってもらっている期間よりも、長いからです。
つまり、仕入れてから売上までの期間のキャッシュのズレにより、運転資金が必要となるわけです。
運転資金をわかりやすく図にすると
「仕入」→「在庫」→「販売」→「回収」の営業サイクルを考えると、現金が棚卸資産(在庫)と売掛債権に変化し、現金回収までにお金が寝てしますことです。その結果運転資金が発生します。
運転資金を算式にすると
運転資金の増減が資金繰りに大きく影響します
運転資金が増えると資金繰りが苦しくなります。一方、運転資金が減少すると資金繰りが楽になります。
売上が伸びると運転資金が増えます
収支のズレのサイクルが同じであれば、売上が伸びると、さらに運転資金が増えます。一方、売上げ減少した場合、すぐに運転資金は減りませんが、時間がたつと運転資金は減ります。
運転資金の中に「もうけ」が入っています
たとえば、800円で仕入れた商品を1,000円で販売しているとすると、棚卸資産や買掛金は仕入れ値ベースの800円で計上されていますが、売掛金は1,000円の売値ベースで計上されています。
運転資金の中には「もうけ」が入っています。
試算表から自社の運転資金をざっくりと計算して、現金預金残高と比較していただければ、自社の資金繰りの切迫度がつかめます。
土曜日は、経営者の方が自社の決算書の数字を理解して、経営に活かせる“会計”の考え方を解説しています。
経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
Every day is a new day!
秋の1日を朗らかにお過ごしください。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です
㉒ 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい。
㉓ 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月。
㉕ 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます。
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説
・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」