井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.08.30.Thu | 税金(法人)

会社名義で社宅を借りる~知っておきたい法人節税策の基礎知識①【創業者向け】

木曜日は、創業者・経営者対象に法人の節税策をわかりやすく紹介していきます。

さて、会社が利用する建物については、法人所有か個人所有か、所有か賃貸か、などさまざまパターンが考えられます。

今回、社宅を使った節税策を紹介します。わかりやい事例で考えます。

 

「自宅が賃貸住宅の場合」それを社宅にするケース

会社の場合、自宅が賃貸住宅であった場合、その賃貸契約を会社契約にします。会社の「社宅」として、役員・使用人から一定の賃貸料を徴収していれば、会社側ではその支払った賃借料全額を会社側の経費にすることができます。

 

役員・使用人から徴収する一定の賃貸料とは

社宅の「通常の賃貸料の額」を計算する必要があります。

 

①小規模住宅の場合

次のイとロの合計額が「通常の賃貸料の額(月額)」になります。

イ (その年度の建物固定資産税の課税標準額)×0.2%+12円×(家屋の総面積)/3.3㎡

ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

ハ イ+ロ=通常の賃貸料の額(月額)

 

※ 小規模住宅とは住宅の床面積が132㎡(耐用年数30年超の場合は99㎡)以下のものをいいますので注意ください。

 

ただし、使用人の社宅の場合には、実際に徴収する家賃の額が「通常の賃貸料の額」50%相当額以上であれば経済的利益はないものとします。

 

②通常※1の社宅の場合

下の算式で計算した「通常の賃貸料の額(月額)」と会社がその借り上げ住宅等の賃貸料として支払う金額の50%に相当する金額のうち、いずれか多い金額を通常の賃貸料とします。

 

次のイとロの合計額が通常の賃貸料月額になります。

イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%×1/12

ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。

ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%×1/12

ハ イ+ロ=通常の賃貸料の額(月額)

※1 住宅の床面積が132㎡(耐用年数30年超の場合は99㎡)を超え、240㎡以下のもの

です。

 

つまり、会社が外部の家主に支払う賃借料と、こうしたルールで役員・使用人から会社が徴収する賃貸料の差し引き相当額が経費となります。

従業員や役員から徴収する賃貸料は、世間相場よりかなり低い金額になります。

ただし、豪華な社宅はこのルールは適用されませんのでご注意ください。

 

創業者や経営者が制度を知らなかったので、会社にとって有利なルールを見逃していた、複数の制度があるにもかかわらず、ひとつのルールしか知らず、有利不利の選択ができなかったなど、経営者が税ルールに不知ということがあります。

 

そもそも税のルールは、毎年変わりますし、複雑で面倒ですので。仕方ありません。

創業者や経営者は、自社にとって有利なルールはどういうものか?またそれが自社に適用できるのか?などを、専門家に相談されるのが一番効率的で効果的だと思います。

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

夏の1日を元気にお過ごしくださいね。

 

「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/houjin/

あてはまる事例を参考にしてくださいね。

 

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説

・木曜日は法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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