借金付きの贈与(負担付き贈与)は、やってはいけないし、もらってもいけません~贈与税をわかりやすく⑪
「贈与税をわかりやすく」の11回目。
負担付き贈与とは借金付きで財産をもらうこと
負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいいます。
つまり、「土地と賃貸マンションを贈与する代わりに、その借入金(ローン)を引き継いでもらいます。」という契約で、もらった人が一定のことをしなければならない義務を負うことを条件とする贈与をいいます。
通常の贈与と比べて、負担付き贈与は、もらった人が一定の債務を負担するところが異なります。
贈与者にも受贈者にも利益が発生しています
通常の贈与と比べて、財産をあげた人(贈与者)にも借金がなくなるという経済的利益が発生します。
一方、財産をもらった人(受贈者)は、引き受けた借金の額で、贈与者から財産を購入したことになります。
財産の時価と負担した差額に贈与税がかかります
個人から負担付贈与を受けた場合は、贈与財産の価額から負担額を控除した価額に贈与税がかかります。
もらった財産は時価で評価されます
この場合の課税価格は、贈与された財産が土地や借地権などである場合および家屋や構築物などである場合には、その贈与の時における通常の取引価額に相当する金額から負担額を控除した価額によることになっています。
土地、建物などについては、負担付き贈与では評価減のメリットはありません。
一方、贈与された財産が上記の財産以外のものである場合は、その財産の相続税評価額から負担額を控除した価額となります。
具体例
Q 父親から、時価1,500万円の土地の贈与を受ける代わりに父親の銀行借入金1,000万円を負担することとした場合
贈与税の課税は具体的にはどうなりますか?
A
贈与を受けたときにおける通常の取引価額(1,500万円)から、負担額(1,000万円)を控除した価額(500万円)が贈与税の課税対象となります。
ほかにも気をつけなければならないことがあります
上の例で財産をあげた父親は、その土地を引き継いでもらった銀行借入金で売却したことになります。その銀行借入金より土地の取得価額の方が低い場合は、所得税(譲渡)がかかります。
「こういうことはやってはいけない、もらってもいけない」でお願いします。
Every day is a new day!
夏の1日を元気にお過ごしください。
贈与税をわかりやすく
① 贈与税がかかる場合~親子間、夫婦間でも贈与税はかかります。
③ 贈与する前にいったいどれくらいの贈与税がかかるのか知っておく必要があります。
④ 相続時精算課税は相続税のかからない親の場合にはベストな贈与です。
⑤ 共働きの夫婦が住宅購入した場合、購入資金の負担割合で所有権登記をして下さい。
⑥ 離婚して財産をもらったとき、贈与税がかかる場合があります。
⑧ 贈与税がかかる生命保険金、もらったつもりがないのにかかる贈与税。
⑨ 親族間で低額で土地を譲り受けたとき、贈与税がかかります。
贈与税で誤りやすい事例
① 自宅の贈与を受け、その後離婚。特例の適用は受けられますか?
② 父親の土地に、子供の私が自宅を建てて住みます。問題はありますか?
④ 父親が借地している土地の底地を、息子の私が買い取りました。
毎年こどもや孫に110万円を贈与するときに、気をつけておきたいこと
⑦ 贈与契約書が必要です。
⑪ 贈与税の申告は必要ありませんが、トラブルを生じさせない取扱いとして。
⑫ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合~住宅ローン控除は使えませんか?
贈与税を中心とした「マイホームの税金」に関するブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kojin/myhome/
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
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