債務免除などを受けた3つのケース。贈与税がかかります。~贈与税をわかりやすく⑩
「贈与税をわかりやすく」の10回目。
個人から個人への贈与によってもらった財産ではなくても、贈与税がかかる財産があります。みなし贈与財産といいます。
債務の免除による利益を受けた場合
たとえば、債務免除による利益とは、債務者の消極財産を消滅させるものです。積極財産の贈与を受けることと同じだと考えます。
税法上、その利益を受けた人が、債務免除が行われた時にその債務免除に係る債務の金額を、その債務免除等をした人から贈与により取得したものとみなされます。
債務の免除のほか、債務の引き受けまたは第三者のためにする債務の弁済による利益を受けた場合も同じです。
債務の免除とは
債務の免除とは、債権者が債務者に対して債務を免除する意思表示することにより債務を消滅させることです。
つまり、「債権の放棄」です。
たとえば、債務免除を含む具体例として
■債務免除
父親Aは、息子Bに対しての貸付金800万円を免除(放棄)した。
■債務引き受け
父親Aは、息子Bが負っていた債務800万円を引き受けた。
■債務弁済
父親Aは、息子Bが第三者Cに対して負っていた債務800万円を代わって弁済した。
すべての例において、息子Bは父親Aから800万円を贈与により取得したものみなされます。贈与税がかかります。
ただし、贈与とみなされない場合があります
しかし、債務免除等による利益を受けた場合であっても、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、債務の免除を受けた又は債務者の扶養義務者に債務の引受け又は弁済をしてもらったときは、その債務の弁済をすることが困難である部分の金額については、贈与により取得したものとはみなされません。
「債務免除」には債務者の扶養義務者以外の者によってされた免除を含みますが、「債務の引き受けまたは弁済」には扶養義務者によってされた引き受けまたは弁済に限られています。
債務免除は、親族間や扶養義務者間でよく出てくるケースだと思います。
「債務免除=債権放棄」は相続税法に限らず、他の税法でもよく問題になる項目です。
Every day is a new day!
夏の1日を元気にお過ごしください。
贈与税をわかりやすく
① 贈与税がかかる場合~親子間、夫婦間でも贈与税はかかります。
③ 贈与する前にいったいどれくらいの贈与税がかかるのか知っておく必要があります。
④ 相続時精算課税は相続税のかからない親の場合にはベストな贈与です。
⑤ 共働きの夫婦が住宅購入した場合、購入資金の負担割合で所有権登記をして下さい。
⑥ 離婚して財産をもらったとき、贈与税がかかる場合があります。
⑧ 贈与税がかかる生命保険金、もらったつもりがないのにかかる贈与税。
⑨ 親族間で低額で土地を譲り受けたとき、贈与税がかかります。
贈与税で誤りやすい事例
① 自宅の贈与を受け、その後離婚。特例の適用は受けられますか?
② 父親の土地に、子供の私が自宅を建てて住みます。問題はありますか?
④ 父親が借地している土地の底地を、息子の私が買い取りました。
毎年こどもや孫に110万円を贈与するときに、気をつけておきたいこと
⑦ 贈与契約書が必要です。
⑪ 贈与税の申告は必要ありませんが、トラブルを生じさせない取扱いとして。
⑫ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合~住宅ローン控除は使えませんか?
贈与税を中心とした「マイホームの税金」に関するブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kojin/myhome/
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
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