開業費などの繰延資産の考え方のポイント!繰延費用と考える方がわかりやすい。~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方㉒
土曜日は、経営者の方が自社の決算書の数字を理解して、経営に活かせる“会計”の考え方を解説しています。22回目です。
会社が支出する費用のうち、支出の効果が1年以上におよぶものを繰延資産といいます。
繰延資産(くりのべしさん)とはどんなものか?次のようなものです
■創立費
発起人報酬、設立登記のための登録免許税など、法人の設立のために支出する費用
■開業費
法人の設立後事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用
■開発費
新製品などを開発するために特別に支出する費用
■株式交付費、社債等発行費など
繰延資産とは
経費としてお金をつかったものの、その効果が将来にわたって効いてくるから資産に計上するという、というものです。
つまり、これらを一度に費用とすると赤字になってしまうので、とりあえず資産計上しておいて、徐々に費用にしましょうという考え方です。
資産というよりは、分かりやすく言うと〝繰延費用〟ですので、資産としての中身はありません。
税法では任意償却できます
創立費や開業費、開発費などは、支出した事業年度に全額費用に計上し、繰延資産に計上しない方法も認められています。
そういう意味では、スタートアップ企業でも収益の稼得能力がある会社では、一度に費用とします。
繰延資産に対する銀行からの評価は
将来の収益に貢献しない繰延資産は、おそらくゼロ評価です。
中小企業では、創立費や開業費などの繰延資産を計上したままの会社があります。これはよくないです。
繰延資産は、繰延費用と考えた方が失敗しません。
経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
Every day is a new day!
今日も夏の1日を元気にお過ごしください。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」