井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.07.18.Wed | 事業承継

「新事業承継税制」特例のポイント解説⑮~事業承継税制の先代経営者等の要件(複数から複数へ)

 

水曜日は「新事業承継税制」をわかりやすく紹介しています。15回目です。

 

この新事業承継税制を受けるための、先代経営者等の適用要件を紹介します

 

 

先代経営者の場合

①会社の代表者であったこと(贈与時は会社の代表者でない)。

②相続の場合は、相続直前に代表者であっても問題はありません。

③同族グループ50%超・筆頭株主の要件

贈与・相続直前まで、先代経営者グループで過半数の議決権を有し、かつ先代経営者グループの中で後継者を除いて筆頭株主であること

 

先代経営者以外の場合

①贈与時において代表権を有していないこと(相続の場合は相続直前に代表者であっても問題ありません)。

②特例制度の適用を受けた先代経営者からの贈与等以後に株式承継を行ったこと(特例承継期間内に申告期限が到来する贈与等に限定しています)

 

先代経営者と先代経営者以外に区分しているのは、新税制で先代経営者以外の者からの承継も適用対象になったからです。

たとえば、先代経営者の配偶者から後継者へ承継する場合も、適用要件に当てはまっていれば、贈与税・相続税の100%が納税猶予されます。

新税制では、分散している株式を後継者に集中させ、より経営権を確実する目的で拡充されました。

しかし、先代経営者以外の贈与は、先代経営者からの事業承継に伴う付随的なものですので、先代経営者から後継者への贈与がされる前に行われた贈与は、納税猶予制度の適用はできません

この贈与者の拡大は、配偶者や直系血族においては望ましいことです。

 

新税制では、先代経営者以外の株主からの贈与が適用対象になります。先代の配偶者、後継者の兄弟、先代とともに創業した役員や役員だった人も含めることができます。

ようするに、贈与者は先代経営者に限定されず、複数でも可能です。幅広く考えることができるようになりました。(下図のようなイメージ)

 

(出所:TKC「戦略経営者」5月号)

 

<参考>

先代経営者グループとは、次のグループです。(施行令第40条の8の5⑦)

①その者の親族

②その者と事実上婚姻関係と同様の事情にある者

③その者の使用人

④①から③以外で、その者から受ける金銭等によって生計を一にするこれら者の親族

⑤その者と①と④に掲げる者で合わせて50%超有している会社等

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーターF.ドラッカー)

Every day is a new day!

夏の1日を元気にお過ごしください。

 

 水曜日は「新事業承継税制」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/shokei/

 

新事業承継税制の特例のポイント解説

① 平成30年1月1日からの贈与・相続について適用されます

② そもそも事業承継税制とはいったい何なのか?

 非上場株式等の贈与税等の納税猶予及び免除~新旧制度の比較

④ 納税猶予を受けるための手続(その1)~贈与税の申告まで

⑤ 非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けるための手続(その2)~贈与税申告の後

⑥ 納税猶予を受けるための手続(その1)~相続税の申告まで

⑦ 納税猶予を受けるための手続(その2)~相続税申告の後

⑧ 新事業承継税制は中小企業の株式を贈与相続により移転する際に活用します

⑨ 新事業承継税制の利用により、いくら相続税が猶予・免税になるのか

 贈与税の納税猶予からはじめた場合の「新事業承継税制の全体像イメージ」

⑪ 贈与税の納税猶予からスタートした場合に、先代経営者に相続が発生した時の取扱い

⑫ 【具体例】贈与者(先代経営者)に相続が発生した場合

⑬ 納税猶予が全額であっても株価対策は必要です

⑭ 後継者が第三者(親族外)の場合に注意したいこと

 

事業承継・税理士の視点

① 相続と事業承継の相違はそもそも何か? 

② 事業承継に公的支援がされるのはなぜか?   

③ 「堀金箔粉」~京都老舗の事業承継のルールとは。   

④ 「誰に事業を承継させるのか?」~親族内承継、従業員承継、M&A  

 

 

「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/houjin/

あてはまる事例を参考にしてくださいね。

 

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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