領収書などの保存義務がある収入金額300万円超の副業所得の電子データ保存ルール ~ 電子帳簿保存法改正[36]
今回は
副業や兼業収入の電子取引による領収書などは、電子データで保存する必要があるというルールについて
を紹介します。
雑所得は次のように3区分されます
① 公的年金等の雑所得
国民年金、厚生年金、恩給、企業年金などの所得
② 雑所得を生ずべき業務に係る雑所得
シェアリングエコノミー などの副業・兼業収入による所得
③ その他の雑所得
個人年金 保険、暗号資産取引 などの①と②以外の所得
このうち②の雑所得を生ずべき業務にかかる雑所得についての領収書などの保存ルールは次のとおりです
すなわち、売上300万円を超えると請求書や領収書などの書類を5年間保存するルールとなっています。
<参考>
所得税法施行規則102条⑦
(事業所得等に係る取引に関する帳簿の記録の方法及び帳簿書類の保存)
「前々年分の雑所得を生ずべき業務に係る収入金額が300万円を超える居住者等は,雑所得を生ずべき業務に係るその年の取引のうち総収入金額及び必要経費に関する事項を記載した『現金預金取引等関係書類(請求書や領収書等)』をその作成・受領の日の属する年の翌年3月15日の翌日から5年間保存しなければならない。」
この保存ルールは電子取引では次のようになります
■ 電子メールなどの電子取引で、請求書や領収書などの書類の情報を受け取った場合
書類は電子データで保存する必要があります。
■ 一方、「現金預金取引等関係書類(請求書や領収書等)以外の書類」(不動産所得等に係る業務に関し保存が必要な一定の書類を除く)については、電子取引の取引情報には該当しないものとして、保存しなくて問題ありません。
<参考>
電子帳簿保存法取扱通達7-2
(所得税法第232条第2項に規定する書類の保存義務者が電子取引を行った場合に保存すべき電子取引の取引情報に係る電磁的記録の範囲について)
「所得税法第232条第2項の規定により一定の書類を保存しなければならない保存義務者が電子取引を行った場合には、その電子取引の取引情報のうちその書類に通常記載される事項に係る電磁的記録を法第7条の規定により保存しなければならないが、この場合において、その書類以外の書類(その保存義務者が、その年において不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行った場合において、これらの業務に関し保存しなければならないこととされる一定の書類を除く。)に通常記載される事項に係る電磁的記録については保存しないこととして差し支えないこととする。」
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
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