データの電磁的記録保存の際の検索機能とその要否について~ 電子帳簿保存法改正[10]
今回は
「日付・金額・取引先」で検索できるようにしますが、消費税の免税事業者は検索機能の確保の要件は不要です
を紹介します。
データの取引情報に係る電磁的記録の保存では、次の要件を満たす検索機能が必要とされます
① 日付、取引金額および取引先を検索の条件として設定することができる。
② 日付または金額については、その範囲を指定して条件を設定することができる。
③ 2 以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができる。
検索機能は保存方法にかかわらず必要です
データの保存については、サーバに保存する場合や、クラウドサービス等を利用する場合が考えられますが、その保存方法にかかわらず、これらの条件を満たして検索をすることができる必要があります。
2年(期)前の売上高が 1,000 万円以下の事業者は
税務調査の際に、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができる場合(税務職員への提示など)に対応できる場合は、検索機能の確保の要件が不要です。
1,000万円以下かどうかは
個人事業者は、電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から12月31日までの期間の売上高、法人は電子取引が行われた日の属する事業年度の前々事業年度の売上高が1,000万円を超えるかどうかで判断します。
売上高が1,000万円を超えるかどうかの判断基準については次のとおりです
消費税法第9条の小規模事業者に係る納税義務の免除の課税期間に係る基準期間における課税売上高の判断基準によります。
つまり、判定期間に係る基準期間がない新規開業者、新設法人の初年(度)、翌年(度)の課税期間などは、検索機能の確保の要件が不要です。
(出所:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問31、34)
【電子帳簿保存法改正の記事】
1 電子帳簿保存法の改正により「スキャナ保存」に関する要件が緩和されます。「タイムスタンプ付与が不要」のクラウドとは
2 電子データが保存書類と認められるためには、訂正削除の防止の事務処理規程の備え付けが現実的?
3 事業を営んでいる個人事業主です。取引先から電子メールにPDFの請求書が添付されて送付されます。改正後はどのように保存すればよいですか?
4 電子取引の保存要件のうち、訂正削除の防止に関する事務処理規程とはどういうものか?
5 電子取引をおこなった取引情報を電子データとして保存するとき、どのような保存方法が認められるでしょうか?
6 個人事業主や法人のすべての方に対応が必要となる電子取引データの保存方法について
7 個人事業主が訂正削除の防止に関する事務処理規程を定める場合の対応
8 電子取引で受け取った電子データについて、同じ内容のものを書面でも受け取った場合
9 改正により法人も個人事業主も義務化されるポイントはひとつ。「データで受け取ったものはデータで保存しなければならない」
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日を元気にお過ごしくださいね。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「経理・会計」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」
・日曜日はテーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。