区分経理が間に合わない個人事業者のための「消費税簡易課税制度選択届出書」の特例 ~ 消費税㉗
中小企業者に対する特例として「簡易課税」という制度があります
売上にかかる消費税に業種ごとに定められた控除率をかけて計算した金額を、課税仕入れ額とする方法です。実際の課税仕入れ額は使用しません。
つまり、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができます。
したがって、今年10月1日からの消費税引き上げによる仕入の区分経理は必要ありません。ただし、売上の区分経理は必要です。
「簡易課税」の適用ルールは、ざっくりと次のとおりです
①基準期間の課税売上高が5,000万円以下
②簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前※に提出していること
※「事前に」とは?提出時期には次のような期限があります
提出時期 → 適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで
次のような時期になります。
(出所:国税庁リーフレット「消費税の届出書について」平成31年1月)
軽減税率制度に関する特例として「消費税簡易課税制度選択届出書」の特例があります
「仕入れを軽減税率(8%)と標準税率(10%)に区分することが困難な事情がある中小企業者は、簡易課税制度選択選択届出書の特例として、令和元年10月1日から令和2年9月30日までを含む課税期間については、適用を受けようとする課税期間の末日までに届出書を提出すれば、簡易課税制度の適用を受けることができる」というものです。
ということは、個人事業者で令和元年分について、消費税の課税事業者となっている方で
経理区分ができない状況にある場合には、この特例を適用して簡易課税制度を選択することができます。
届出書の提出期限には注意が必要です
令和元年分(課税期間:平成31年1月1日~令和元年12月31日)の消費税申告について簡易課税を選択するときは、消費税簡易課税制度選択届出書の提出期限は令和元年12月31日までです。
「課税期間の末日が休日である場合」の、期限が翌日に延長される取扱いの適用はありません
この届出書については、提出期限を定めるのではなく、効力の発生を定める規定となっていますので、その提出期限の末日が休日であっても、提出期限がその翌日に延長されるこはありません。
《参照》簡易課税
→ 「簡易課税」とは。簡易課税の選択を検討することをおすすめします
→ 「原則課税」または「簡易課税」の選択。その有利・不利の判定の仕方
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