派遣社員や内定者等へ支払った出張旅費等の仕入税額控除について ~ インボイス制度 消費税[628]
消費税の記事を掲載します。
「出張旅費等特例」や「公共交通機関特例」の適用ができるかどうか?の考え方について
たとえば
Q:
1 当社は、自社で雇用している従業員と同様に、派遣社員や出向社員が出張した際にも、旅費規程に基づき出張旅費を支払っています。
2 この出張旅費は、派遣元企業や出向元企業を通じてその社員に支払われることになります。仕入税額控除の要件として派遣元企業や出向元企業から請求書等の交付を受け、これを保存する必要はありますか?
3 内定者や採用面接者に対し、内定者説明会会場や面接会場までの交通費を支給する場合の取扱いはどうなりますか?
A:
出張旅費等特例とは
従業員等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等(出張旅費等といいます。)のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われ、この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
一方、派遣社員や出向社員に対して支払われる出張旅費等については
次のとおりの取り扱いになります。
この出張旅費等が直接的に派遣社員等へ支払われるものではなく、派遣元企業等に支払われる場合、派遣先企業等においては、人材派遣等の役務の提供に係る対価として、仕入税額控除に当たり派遣元企業等から受領したインボイスの保存が必要となります。
派遣元企業等がその出張旅費等を預かり、そのまま派遣社員等に支払われることが派遣契約等において明らかにされている場合には、派遣先企業等において、出張旅費等特例の対象として問題ありません。
この場合は、その出張旅費等に相当する金額について、派遣元企業等においては立替払を行ったものとして課税仕入れには該当せず、仕入税額控除を行うことはできません。
2 内定者や採用面接者に対して支払われる交通費等について
内定者のうち、企業との間で労働契約が成立していると認められる者に対して支給する交通費等については、通常必要であると認められる部分の金額について出張旅費等特例の対象として問題ありません 。
労働契約が成立していると認められるか否かは、例えば、企業から採用内定通知を受け、入社誓約書等を提出している等の状況を踏まえて判断します。
一方、採用面接者は通常、従業員等に該当しませんので、支給する交通費等について、出張旅費等特例の対象にはなりません 。
3 ただし、公共交通機関特例の適用があります
出張旅費等特例の対象とならない場合の派遣社員等、内定者または採用面接者に対して支払われる旅費交通費等については、会社がその旅費交通費等を派遣社員・内定者等を通じて公共交通機関に直接支払っているものと同視し得る場合には、3万円未満の支払について、一定の事項を記載した帳簿のみの保存により仕入税額控除が認められます。
(出所:インボイスQ&A 問107-3)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
小雪の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
トップ画像は南夏希さんのイラストです。
先日、大阪、寝屋川市の「C’est cool Shop&Gallery」での個展に伺いました。
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。
金曜日は公益信託の記事を掲載しております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
・「公益信託」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。