イベントのチケット(物品切手)を割引して購入した場合の考え方と仕訳について ~ インボイス制度 消費税[611]
消費税の記事を掲載します。
福利厚生としてイベントのチケットを割引購入し、従業員に配付しています。こうした場合の仕入控除税額の計算はどういうふうに考えたらよいのでしょうか?
を紹介します。
たとえば
Q:
1 福利厚生としてイベントのチケット(物品切手)を購入し、従業員に配付しています。
2 仕入税額控除の適用を受けるため、実際に従業員がイベントを観覧した時(引換給付の際)に交付を受けたインボイスを受け取り、それを保存しています。
3 インボイスに記載された金額と、チケットを購入した金額に差額が生じることがあります。どのように仕入控除税額を算出することになるのでしょうか?
A:
インボイスの保存が必要です
インボイス保存方式においては、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、インボイスの保存が必要となります。
物品切手による引換給付として課税仕入れを行った場合
その物品切手に簡易インボイスの記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されているものが、引換給付を受ける際にインボイス発行事業者により回収されるもののうち、自ら引換給付を受けるものについては、物品切手の購入(対価の支払)時に課税仕入れとして計上した上で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存により、仕入税額控除の適用を受けることができます。
(実務上、こうしたケースはかなり限られているように思います。あいにく具体的な事例が思いつきません。)
それ以外の物品切手に係る課税仕入れは(こちらの方が一般的)
購入(対価の支払)時ではなく、インボイスの交付を受けることとなるその引換給付を受ける時に計上し、仕入税額控除の適用を受けることとなります。
この場合、一定の事項を記載した帳簿およびインボイスの保存が必要です。(こちらのケースがほとんどだと思います。)
その際の課税仕入れについては、物品切手の取得(購入)に要した金額の如何にかかわらず、引換給付時に受領したインボイスに記載された金額を基礎として仕入税額控除の適用を受けることとなります。
つまり、イベントのチケットを割引価格で購入した場合
次のAまたはBのどちらの処理でも問題ありません。「A」が原則なのでしょうが「B」の方法が簡便でわかりやすいです。
A:受領したインボイスに記載された金額により仕入控除税額を算出し、実際に支払った金額との差額を雑収入として計上する方法
B:実際に支払った金額により、仕入控除税額を算出する方法(簡便法)
たとえば、チケットを割引価格にて購入し、福利厚生目的で従業員に利用させた場合
購入金額11,000 円、インボイスに記載された金額13,200 円のケース
A方法
B方法
(出所:多く寄せられるご質問 令和6年7月26日更新 問ⓑ)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
寒露の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
先日、吹田市津雲台にあるラコルタ(吹田市立市民公益活動センター)で行われたソーシャルビジネス講座に参加しました。
地域や社会の課題をビジネスの手法を用いて解決していくソーシャルビジネス。最新の事例を交えたソーシャルビジネスの基本を学んできました。
講師は、一般財団法人大阪コミュニティ協会の堀久仁子さん。オルガワークス㈱の細川裕之さん。
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