井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2024.05.15.Wed | 消費税

予約サイトで事前決済した宿泊予約者に対して「簡易インボイス」を交付することができる場合(手配旅行の場合) ~ インボイス制度 消費税[566]



消費税の記事を掲載します。





ホテルは予約サイト決済も簡易インボイスを交付できます。一方、出張は出張旅費等特例の対象となります





を紹介します。



たとえば



Q:



当社は、ホテルを運営しています。予約サイトを通じて受けた予約について、予約サイト経由で決済が行われた場合、フロントでは現金の授受等が行われないことから、領収書の交付を行っていません。

どのように簡易インボイスを交付すればいいでしょうか。




A:



Ⅰ 手配旅行の場合



インボイスや簡易インボイスは、その名称を問わず、記載事項を満たしたものであれば、必ずしも領収書や請求書である必要はありません。


そのため、予約サイトや旅行代理店等を通じて受けた予約で、かつ、予約サイト等を経由して決済が行われた場合には、領収書ではなく、宿泊明細書などの任意の様式により、次の記載事項を満たした書類(簡易インボイス)を交付することが考えられます。



① インボイス発行事業者の名称および登録番号

② 年月日

③ サービスの内容

④ 税抜価額または税込価額を税率ごとに区分して合計した金額

⑤ 税率ごとに区分した消費税額等または適用税率



取り扱いのポイントは次のとおりです



上記の記載事項のうち④の「税抜価額または税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」は、ホテルが課税売上げとして認識している金額となります。

そのため、予約サイト等との間で手数料等が差し引かれて精算される場合であっても、その手数料等差引前の金額となると考えられます。

予約サイト等が宿泊代金に併せて予約手数料を宿泊客から徴収している場合や、値引き販売を行っている場合には、簡易インボイスに記載される金額(宿泊代金)が、宿泊客が実際に予約サイト等を通じて支払った代金の総額と異なることも考えられますが、消費税法上問題はありません



Ⅱ 企画旅行の場合



予約サイト等が宿泊者の委託を受けてホテルの宿泊予約を行う場合(いわゆる手配旅行)と異なる場合(企画旅行の場合)です。



パックツアーなど、宿泊サービスを含めた一連の旅行サービスとして予約サイト等が提供する場合(いわゆる企画旅行)、通常、予約サイト等が宿泊客に対して課税資産の譲渡等を行ったものとなります。

予約サイト等が、宿泊客に対して簡易インボイスを交付する必要があります。


一方、この場合、ホテルは予約サイト等に対してインボイスの交付義務が生じることとなります。



出張旅費等特例について



社員の出張等に伴う宿泊費で、社員に支給するもののうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。出張旅費等特例です。


その場合には、ホテルを利用する側の事業者側において必ずしもホテルから簡易インボイスを受領する必要はありません。







(出所:国税庁 「多く寄せられるご質問」 令和6年4月10日)




「Q&A」に記載される場合と「多く寄せられるご質問」に記載される場合がありますが、その記載の使い分けに理由はあるのでしょうか?






「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

立夏の1日、朗らかにお過ごしくださいね。








[編集後記]




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