家庭用太陽光発電設備からの余剰電力売電収入の消費税の取り扱いについて ~ インボイス制度 消費税[565]
消費税の記事を掲載します。
会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却について
を紹介します。
たとえば
Q:
会社員が自宅に太陽光発電設備を設置し、太陽光発電による固定価格買取制度に基づき、その余剰電力を電力会社に売却している場合、消費税の課税の対象となりますか?
A:
余剰電力の買取りとは
「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に基づき、太陽光発電による電気が太陽光発電設備が設置された施設において消費された電気を上回る量の発電をした際、その上回る部分がその施設に接続されている配電線に逆流し、これを一般送配電事業者等である電力会社が一定期間買い取ることとされているものです。
会社員が自宅で設置した太陽光発電設備から得た余剰電力の売電収入には、消費税はかかりません
余剰電力の売却は生活の用に供する資産(非事業用資産)の譲渡に当たり、消費税がかかる「事業として行う資産の譲渡」には該当しません。
すなわち、照会の余剰電力の売却は、会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち、使い切れずに余った場合に当該余剰電力を電力会社に売却しているものです。
これは消費者が生活用資産(非事業用資産)の譲渡を行っているものであることから、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しません。
したがって事業者ではない者が生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた余剰電力の売却は、課税の対象となりません。
一方、「全量売電」は消費税がかかります
発電した電気を全く自家消費せずに全量を長期間売電する「全量売電」は事業となり、消費税がかかります。
つまり
会社員が自宅で行う太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされています(全量売電)。
会社員が行うこの全量売電は、電力会社との間で太陽光発電設備により発電した電気の全量を売却する旨の契約を締結し、その発電した電気を生活の用に供することなく数年間にわたって電力会社に売却するものであることから、会社員が反復、継続、独立して行う取引に該当し、課税の対象となります。
(出所:国税庁 質疑応答事例)
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(ピーター F.ドラッカー)
立夏の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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