委託販売を行う場合の委託者の消費税とインボイスの取り扱い ~ インボイス制度 消費税[560]
消費税の記事を掲載します。
受託者の売上金額の全額を委託者の売上金額として、別途支払手数料を計上することが原則です。ただし、支払手数料を控除した残額を売上金額としているときは、その処理も認められます
を紹介します。
たとえば
Q:
1 S㈱はHに販売委託しています。商品300個(税抜@5,000円)を出荷しました。
2 Hから今月の売上として、150個の売上(税抜@6,000円)で、手数料60,000円(税抜)、差引送金額924,000円の売上計算書を、S㈱は受け取りました。
3 同日、売上計算書と同額の入金がありました。
A:
S㈱の仕訳は次のとおりです。
1 商品の出荷時
2 売上計算書受取時
次のように2つ方法があります。
2-1 受託者の売上金額を全額委託者の売上金額として、別途支払手数料を計上する場合
2-2 支払手数料を控除した残額を売上金額とする場合
<参考>
インボイスQ&A 問123
委託販売等の手数料に係る委託者の売上税額の計算
Q:
当社は、委託販売等に係る資産の譲渡等を行った場合の売上税額の計算について、資産の譲渡等の金額から、受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額としていますが、適格請求書等保存方式の下での取扱いについて教えてください。なお、当社が行う委託販売等は軽減税率の適用対象ではありません。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】
A:
委託販売等について、委託販売等に係る委託者においては、受託者が委託商品の譲渡等をしたことに伴い収受した又は収受すべき金額が委託者における資産の譲渡等の金額となりますが、軽減税率の適用対象とならない課税資産の譲渡等のみを行うことを委託している場合、その課税期間中に行った委託販売等の全てについて、その資産の譲渡等の金額から受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額とすることも認められています(基通10-1-12⑴)。
適格請求書等保存方式においては、行った課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、受託者から交付を受けた適格請求書等の保存が必要となります。
したがって、その資産の譲渡等の金額から受託者に支払う委託販売手数料(課税仕入れ)を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額とするためには、当該委託販売手数料に係る適格請求書等の保存が必要となります。
つまり、「2-2 支払手数料を控除した残額を売上金額とする場合」でも、委託販売手数料に係るインボイスの保存が必要となります。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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