電子データによりインボイスを受け取った場合、その保存はどうすればよいですか?~ インボイス制度 消費税[544]
消費税の記事を掲載します。
電子データでインボイスを受け取った場合、電帳法にもとづきインボイスを保存することになっています
を紹介します。
たとえば
Q:
1 継続的な役務提供に係る課税仕入れについて、仕入先からは書面でのインボイスは交付されず、取引先が指定したホームページ上の「マイページ」にログインし、契約ごとに電子データをダウンロードすることとなっています。
2 当社が仕入税額控除を行うには、これらの電子データを毎月ダウンロードして保存する必要があるのでしょうか?
3 この電子データは7年間いつでもダウンロードして確認することができます。
A:
売手であるインボイス発行事業者からインボイスに係る電子データによる提供を受けた場合
仕入税額控除の適用を受けるためには、その電子データを保存する必要があります。
その際、提供を受けた電子データをそのまま保存しようとするときには、「電帳法」に準じた方法により保存することとされています。
電帳法においては
EC サイトで物品を購入したとき、EC サイト上の購入者の購入情報を管理するページ内において、領収書データをダウンロードすることができる場合に、そのECサイト上でその領収書データの確認が随時可能な状態である場合には、必ずしもその領収書データをダウンロードして保存していなくても差し支えないこととされています。
こうした取扱いするにはECサイト提供事業者に次のようなルールが必要とされます
そのECサイト提供事業者において、物品の購入者において満たすべき真実性の確保および検索機能の確保の要件を満たしている場合に認められるものです。
また、その領収書データは税法に定められた保存期間が満了するまで確認が随時可能である必要があります。
これはインボイスに係る電子データの保存においても同じです
取引先が指定したホームページ上の「マイページ」にログインすることで、こうしたルールを満たした形でインボイスに係る電子データの確認が随時可能な状態である場合には、必ずしも電子データをダウンロードせずとも、その保存があるものとして、仕入税額控除の適用を受けることとして問題ありません。
電帳法では、たとえば次のような事業者については、検索機能の確保の要件が不要とされています
A:税務職員による質問検査権に基づく電子データの提示の求めに応じることができるようにしている場合において
① 判定期間に係る基準期間における売上高が1,000 万円(令和6年1月1日以後にやり取りする電子データの場合は、5,000 万円)以下の事業者
② 電子データを出力した書面を取引年月日その他の日付および取引先ごとに整理されたものを提示・提出できるようにしている事業者
B:税務署長が相当の理由があると認め、かつ、保存義務者が税務調査等の際に、税務職員からの求めに応じ、その電磁的記録及び出力書面の提示等をすることができる場合には、その保存時に満たすべき要件にかかわらず電磁的記録の保存が可能となる措置(猶予措置)の対象となる事業者
そのため、こうした事業者にあっては
取引先のホームページにおいて、検索機能の確保がなされていなかったとしても、インボイスに係る電子データの確認が随時可能な状態であれば、仕入税額控除の適用を受けることとして問題ありません。
なお、上記A②、Bおける電子データを出力した書面としては、必ずしもインボイスそのものに係る電子データでなくてもよく、その取引に係る金額や取引年月日の情報が判別できる資料でも問題ありません。
<参考>
→ 令和6年1月1日から電子取引データを必ず保存しなければなりません。4つの特例からひとつを選択して対応します
(出所:国税庁 Q&A 令和5年12月15日公表分 問18)
【編集後記】
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
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