媒介者交付特例においてインボイスを再発行することの可否について ~ インボイス制度 消費税[543]
消費税の記事を掲載します。
媒介者交付特例において、委託者はインボイスを再発行することができますか?
を紹介します。
たとえば
Q:
1 K社は、役務の提供に当たり、予約サイトを通じて予約や代金の精算を行っています。
2 この際、媒介者交付特例を適用し、予約サイトから購入者にインボイスを交付してもらっています。
3 実際の役務の提供に際し、顧客からK社に対してインボイスの交付を求められました。この場合、K社は改めてインボイスを交付しなければならないのでしょうか。
A:
インボイス発行事業者には、課税資産の譲渡等を行った場合、課税事業者からの求めに応じてインボイスを交付する義務が課されています。
また、今回の質問のように予約サイトを通じて代金の精算を行う場合、一定の要件を満たしていれば、その予約サイトの運営者が、媒介者として、自己の氏名または名称および登録番号を記載したインボイスを、委託者であるK社に代わって顧客に対し交付することができます。
「媒介者交付特例」といいます。
媒介者交付特例を適用し、媒介者がインボイスを交付したのであれば、その時点でインボイスの交付義務を果たしています。
改めて委託者(K社)がインボイスを交付することについて
消費税法上妨げられるものではありませんので、顧客の求めに応じて、インボイスを交付することもできます。
この場合において、委託者が交付しようとするインボイスに記載すべき課税資産の譲渡等に係る税抜価額または税込価額は、委託者である売手の認識している金額によることとなります。
なお、仕入税額控除は、行った課税仕入れに対して適用されるものです。購入者において、一の課税仕入れについて複数枚のインボイスの保存があったとしても、仕入税額控除の適用は一回となります。
一方、予約サイトの運営者がインボイス発行事業者ではないなどの理由により媒介者交付特例を適用できない場合に
課税事業者である顧客からインボイスの交付を求められた際は、委託者においてインボイスの交付義務が生じることとなります。
<参考>
→ 取引先(受託者)に委託する委託販売を行う場合「媒介者交付特例」
(出所:国税庁 Q&A 令和5年12月15日公表分 問17)
【編集後記】
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
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