社員食堂での会社負担分に係る仕入税額控除について~ インボイス制度 消費税[542]
消費税の記事を掲載します。
S社は他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させています。この場合の会社負担分に係る仕入税額控除はどう考えたらよいですか?
を紹介します。
たとえば
Q:
1 S社は、他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させています。
2 たとえば、従業員が1,000 円分の食事を行った場合、S社はその7割(700 円)を従業員から徴収し、差額300 円を負担する形で食堂を経営するその事業者に対して支払を行っています。
3 インボイスには、課税資産の譲渡等に係る税込価額として支払を行った全額が記載されています。
4 S社はどのように仕入税額控除を行うことになるのでしょうか。なお、従業員から徴収した代金は預り金として処理しています。
A:
仕入税額控除を行うことが可能です
事業者が他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させるという契約を他の事業者と締結し、その従業員の食事代の全部又は一部を支払っているときは、給与として課税されるかどうかにかかわらず、その金額は課税仕入れに該当し、他の事業者から受領したインボイス及び一定の記載をした帳簿の保存により仕入税額控除を行うことが可能です。
ただし預り金を控除した金額が課税仕入れの対象となります
従業員から一部の代金を徴収し、預り金として処理している場合には、事業者が実際に負担した部分の金額のみが課税仕入れの対象となります。
S社は、食事に係る代金の全額が記載されている適格請求書を保存していたとしても、300 円を基礎として、仕入税額控除の適用を受けることとなります。
端数処理に注意します
仕入控除税額の計算に当たって、積上げ計算を行う場合、受領した一のインボイスに記載された課税資産の譲渡等に係る消費税額等のうち、課税仕入れに係る部分の金額として算出した金額に1円未満の端数が生じる場合は、受領した一のインボイスにつき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要がありますが、その方法については切上げ、切捨て、四捨五入など、任意の方法とすることができます。
具体的なイメージは次のとおりです
(出所:国税庁 Q&A 令和5年12月15日公表分 問16)
【編集後記】
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
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