簡易インボイスを交付することができる事業はどんなものがあるでしょうか?会員向けセミナーは? ~ インボイス制度 消費税[539]
消費税の記事を掲載します。
不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う事業を行う場合は、インボイスに代えて、記載事項を簡易なものとした簡易インボイスを交付することができます
を紹介します。
たとえば
Q:
1 S協会は、多数の会員を有する事業者団体です。定期的に会員の中から広く参加者を募ってセミナーを開いており、セミナー当日に参加者からその対価を徴収しています。
2 このセミナーについては、簡易インボイスの交付対象になりますか?
3 なお、参加者は毎回多数に上るため、参加費を徴収する際には「◯◯会会員様」という宛名を事前に印刷した領収書、あるいは宛名のない領収書を配布しています。
A:
インボイス発行事業者は
不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う一定の事業を行う場合には、インボイスに代えて、記載事項を簡易なものとした簡易インボイスを交付することができます。
簡易インボイスの交付ができる事業は
小売業や飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業及び駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限ります。)の他、「これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業」についても対象になります。
こうした事業に該当するかは、個々の事業の性質により判断されます。
ホテル・旅館の宿泊サービスなども対象になります
「不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行うもの」には、その取引に当たり、相手方の氏名等を確認するものであったとしても、相手方を問わず広く一般を対象に資産の譲渡等を行う、ホテル・旅館等の宿泊サービスや航空サービス、レンタカー事業なども含まれます。
他方、電気・ガス事業などは簡易インボイスを発行できる事業には当たりません
通常の事業者間取引や、消費者を含めた多数の者に対して行う取引であったとしても、その相手方を一意に特定したうえで契約を行い、その契約に係る取引の内容に応じて個々に課税資産の譲渡等を行うようなもの(電気・ガス・水道水の供給、電話料金など)は、一般的には、簡易インボイスの交付ができる事業には当たりません。
今回のセミナーは簡易インボイスを発行できる事業になります
参加者が団体の会員に限られ、一定の対象者に対して取引を行うものではありますが、相手方を一意に特定したうえで開催されるものではなく、また、対象者も多数に上るものであることから、簡易インボイスの交付を行う事業に該当することとなります。
これにより、領収書に「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載は不要となります。
あらかじめ「◯◯会会員様」との宛名を印刷した領収書を簡易インボイスとして交付することは問題ありません。
また、仮に宛名として会員名を記載した場合であっても、簡易インボイスであることには変わりはないため、消費税額等または適用税率のいずれかの記載があれば問題ありません。
<参考>
→ 会員向けセミナーの参加費に係るインボイスの考え方と取り扱い
(出所:国税庁 Q&A 令和5年12月15日公表分 問14)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね。
[編集後記]
トップの画像は、子供がつくった2回目のガレット・デ・ロワ(りんご入り)。
美味しい!です。
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