インボイス開始前後で、売手の売上計上時期と買手の仕入計上時期が異なるケースの取り扱い ~ インボイス制度 消費税[367]
消費税の記事を掲載します。
今回は
令和5年10月1日前後の取引において、売手の売上計上時期と買手の仕入計上時期が異なる場合
を紹介します。
たとえば
Q:
令和5年10 月1日前後の取引において、売手における売上げの計上時期と買手における仕入れの計上時期が異なる場合、インボイス保存の要否についてどのように考えればよいでしょうか?
A:
インボイスは発行や保存の義務があります
インボイスの下では、インボイス発行事業者である売手は、国内において課税資産の譲渡を行った場合、取引の相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、インボイスを交付する義務が課されています。
一方、課税事業者である買手は、仕入税額控除の要件として、課税仕入れに係る帳簿およびインボイスの保存が必要です。
令和5年10月1日以後
交付または保存の義務は、売手が行う課税資産の譲渡および買手が行う課税仕入れについて、適用されることになります
同じ取引であっても、売手における売上げの計上時期と買手における仕入れの計上時期が必ずしも一致しない場合があります
たとえば、機械装置の販売において、売手が出荷基準により令和5年9月に課税売上げを計上し、買手が検収基準により令和5年10月に課税仕入れを計上するといったことも生じます。
売手はインボイスの交付義務はありません
この場合、売手はインボイス開始前に行った取引であることから、買手から取引についてインボイスの交付を求められたとしても、取引に係るインボイスの交付義務はありません。
買手においては、売手における課税売上げの計上時期が令和5年10月1日以後のものとなる取引から、仕入税額控除の適用を受けるためにインボイスを保存する必要があります。
つまり、売手における課税売上げの計上時期が令和5年9月となる取引については、買手は区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用を受けることになります。
(出所:インボイスに関するQ&A 令和5年4月改訂 問38)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
金曜日の「資産税」はお休みしました。
トップの画像は、西宮市の夙川で泳いでいた「鯉のぼり」です。
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