売手負担の振込手数料の経理処理を変更しても問題ありません ~ インボイス制度 消費税[366]
消費税の記事を掲載します。
今回は
インボイス開始後、経理方法を変更しても問題ありません
を紹介します。
Q:
売手からの代金請求の際に、買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うとき、売手が負担する振込手数料の処理はどのようにしたらよいでしょうか?
次のようなケースです。
A:
次の3方法がありました。
A:売手が振込手数料相当額を売上値引きとする場合
→ 売手負担の振込手数料を「売上値引」とする場合の処理について
B:振込手数料について売手が買手から「代金決済上の役務提供」を受けた対価とする場合
→ 売手負担の振込手数料を「課税仕入れ」とする場合の処理方法について
C: 買手が売手のために金融機関に対して振込手数料を立替払したものとする場合
→ 売手負担の振込手数料を「立替金精算書」により仕入税額控除をする方法
方法が3つありますので、次のようなことが生じます。
Q:
売手の負担額を支払手数料として経理処理していました。インボイスの開始後において、売上げに係る対価の返還等として経理処理することを考えています。問題になりませんか?
A:
売手が負担する振込手数料相当額に係る経理処理については、振込手数料を売上げに係る対価の返還として処理する場合(A方法)、支払手数料として処理する場合(B方法)、立替金とする場合(C方法)があります。
支払手数料としての経理処理をインボイスの開始後、売上げに係る対価の返還等としての経理処理に変更することは問題ありません。
対価の返還等を行った場合の適用税率は、次のようなポイントに気をつけます
売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従います。
そのため、軽減税率8%対象の課税資産の譲渡等を対象とした振込手数料相当額の売上値引きには、軽減税率8%が適用されます。
経理処理を支払手数料としつつ、消費税法上、売上げに係る対価の返還等とすることができます
この場合であっても、売手が買手に対して売上げに係る対価の返還等を行った場合の適用税率は、売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従うことから、適用税率に応じた区分のほか、帳簿に売上げに係る対価の返還等に係る事項を記載する必要があります。
(出所:インボイスに関するQ&A 令和5年4月改訂 問31)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
木曜日の「法人税」はお休みしました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日~水曜日は「消費税」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。