輸入手続を委託した場合の仕入税額控除の取扱いについて~ インボイス制度 消費税[335]
消費税の記事を掲載します。
今回は
国外買取商品を「輸入代行会社名」で輸入する場合
を紹介します。
たとえば
Q
① 甲社は、ドイツのA社からB製品を輸入するに当たり、その輸入を国内の乙社に委託することにしています。
② B製品の輸入に際して乙社が「輸入貨物の引取り者(輸入者)」として輸入申告を行い、乙社においてB製品の保税地域からの引取りに係る消費税(以下「輸入消費税」といいます。)を納付しています。甲社は乙社の納付した輸入消費税を負担することとしています。
④ この場合、甲社の消費税の確定申告に際して、甲社が負担した乙社の輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることはできますか?
⑤ B製品の輸入は、関税定率法または関税暫定措置法の規定に基づき、いわゆる「限定申告」が必要となるものではありません。
A:
甲社の消費税の確定申告において、B製品の輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることはできません
消費税の仕入税額控除の対象となるのは、国内において行う課税仕入れのほか、保税地域からの課税貨物の引取りがあります。
この保税地域から引き取った課税貨物に課されたまたは課されるべき消費税額について仕入税額控除を受けるべき事業者は、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定に基づき、その課税貨物を引き取った者、すなわち輸入申告を行った者になります。
したがって、輸入消費税に係る仕入税額控除は乙社が行うこととなるため、甲社が消費税の確定申告に際して、その輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることはできません。
甲社が輸入者となる輸入申告で、単にその手続を乙社に代行させる場合には、乙社ではなく甲社が、その輸入消費税を仕入税額控除の対象とすることになります。
(出所:国税庁 質疑応答事例仕入税額控除 課税仕入れの範囲 NO23)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
曜日によりテーマを決めて書いていましたが、しばらくは消費税(インボイス)の記事を掲載していきます。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」
・火曜日~木曜日は「消費税」
・金曜日と土曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・日曜日は「経理・会計」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。