インボイスの保存がなくても帳簿のみで仕入税額控除ができる「1万円未満の課税仕入れに係る少額特例」 ~ インボイス制度 消費税[323]
消費税の記事を掲載します。
今回は
事業者のうち90.7%の事業者が対象となります「1万円未満の少額特例」とは?
を紹介します。
この特例は令和5年度税制改正大綱にもとづき、改正が予定されています。
1 対象者は次のとおりです
基準期間における課税売上高が1億円以下または特定期間※における課税売上高が5千万円以下の事業者が、適用対象者となります。
※ 「特定期間」とは、個人事業者については前年1~6月までの期間をいい、法人については前事業年度の開始の日以後6月の期間をいいます。
2 適用期間は次のとおりです
令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間が適用対象期間となります。
その間に行う課税仕入れが適用対象となります。
そのため、たとえ課税期間の途中であっても、令和11年10月1日以後に行う課税仕入れについては、少額特例の適用はありません。
3 「1万円」は税込で判定します
つまり、「税込」1万円未満の課税仕入れが適用対象になります。
4 特例の判定は1回の取引の合計額で判定します
たとえば
Q1:
9,000円の商品と8,000円の商品を同時に購入した場合(合計17,000円)、少額特例の対象になりますか?
A1:
少額特例の判定単位は、課税仕入れに係る1商品ごとの金額により判定するのではなく、一回の取引の合計額が1万円未満であるかどうかにより判定することになります。
事例の取引では17,000円の取引となります。少額特例の対象とはなりません。
Q2:
月額200,000円(稼働日21日)で個人事業者に外注を行っています。稼働日で按分すると1万円未満となります。少額特例の対象になりますか?
A2:
少額特例の判定単位は、一回の取引の合計額が1万円未満であるかどうかにより判定します。役務の提供である場合には、通常、約した役務の取引金額によることになります。
事例の取引は、月単位での取引(200,000円の取引)と考えられます。
少額特例の対象とはなりません。
(出所:財務省2023/01/20 インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答 問8~12)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
曜日によりテーマを決めて書いていましたが、しばらくは消費税(インボイス)の記事を掲載していきます。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」
・火曜日~木曜日は「消費税」
・金曜日と土曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・日曜日は「経理・会計」
免責
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。