任意組合(たとえばJV)は精算書で仕入税額控除ができます ~ インボイス制度 消費税[283]
消費税の記事を掲載します。
今回は
幹事会社が経費を負担して他の組合員の分を立て替えている場合、精算書で仕入税額控除できます
を紹介します。
たとえば
Q:
1 当社は取引先数社と任意組合を組成しイベントを行っています。
2 仕入先から交付される請求書は幹事会社が保管し、構成員は幹事会社から精算書の交付を受けています。
3インボイス制度において、当社などの構成員は仕入先からインボイスの交付を受け、保存する必要がありますか?
A:
インボイスなどの保存が仕入税額控除の要件となります
任意組合の共同事業として課税仕入れを行った場合に、幹事会社が課税仕入れの名義人となっているなどの事由により各構成員の持分に応じた適格請求書の交付を受けることができないときは
幹事会社が仕入先から交付を受けたインボイスのコピーに各構成員の出資金などの割合に応じた課税仕入れに係る対価の額の配分内容を記載したものは、各構成員における仕入税額控除のために保存が必要な請求書に該当するものとして取り扱われます。
その保存をもって、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすことになります。
しかし、任意組合の構成員に交付するインボイスのコピーが大量となるなどの事情により
立替払を行った幹事会社が、コピーを交付することが困難なときは
幹事会社が仕入先から交付を受けたインボイスを保存し、「精算書」を交付することにより、各構成員は幹事会社が作成した(立替えを受けた構成員の負担額が記載されている)「精算書」の保存をもって、仕入税額控除を行うことができます。
注意点は次の4つです
1 幹事会社は、精算書に記載されている仕入れ(経費)について、仕入税額控除が可能なものか(インボイス発行事業者からの仕入れか、インボイス発行事業者以外の者からの仕入れか)を明らかにしておく必要があります。
2 適用税率ごとに区分するなど、各構成員が仕入税額控除を受けるに当たっての必要な事項を記載しておく必要があります。
3 仕入税額控除の要件として、保存が必要な帳簿に課税仕入れの相手方の氏名または名称の記載が必要です。
4 インボイスのコピーにより、その仕入れ(経費)がインボイス発行事業者から受けたものか否かを確認できなくなるため、幹事会社と構成員の間で、課税仕入れの相手方の氏名または名称及び登録番号を確認できるようにしておく必要があります。
これらの事項については、別途、書面で通知する場合のほか、継続的な取引に係る契約書で明らかにされているなどの場合は、精算書で明らかにしていなくても問題ありません。
<参考>
民法上の任意組合とは
「任意組合とは、民法667条により各当事者が出資をなして共同の事業を営むことを約する合意によって成立する団体のことをいいます」
「任意組合には法人格はないため、組合自身に権利・義務はなく、その構成員である組合員の権利・義務となります。また、法人ではないために組合自身が財産の帰属主体とはなりませんので、財産は組合員の共有となります」
(出所:週刊税務通信2775号 現代税務・会計ニュースのキーワード 公認認会計士/税理士 伊原健人)
(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年11月改訂 問83)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
・トップ画像は近くのお店「CAGOM」のクリスマス・スペシャル弁当です。
・日曜日の「経理・会計」はお休みしました。
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