外貨建取引におけるインボイスの記載事項について ~ インボイス制度 消費税[264]
消費税の記事を掲載します。
今回は
国内取引を外貨(ドル)で決済しているときのインボイスの記載事項について(国外取引は課税対象外なのでそもそもインボイスの交付義務はありません)
を紹介します。
たとえば
① 当社は、米ドル建てにより取引を行ってます。
② 取引に係る資産の譲渡等の対価の額については、法人税における処理と同様に取引を行った日の対顧客電信相場仲値(TTM)により円換算を行っています。
③ このような外貨建取引に係る適格請求書は、どのように記載すればよいですか?
A:
ドルなどの外貨建てによる取引であっても、インボイスに記載が必要な事項は変わりません。
「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を除き、記載事項を外国語や外貨により記載しても問題ありません。
外貨建てによる取引であっても、「税率の異なるごとに区分した消費税額等」については、円換算した金額を記載する必要があります。
つまり、消費税だけは円換算が必要です。それ以外は外貨でもよいということです。
具体的には、次の4つの計算方法のうちから、円換算して「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を算出することとなります
A: 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)を円換算後、消費税額等を算出する方法
B: 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)を円換算後、消費税額等を算出する方法
C: 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法
D: 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法
4つの方法について、さらに詳しい計算方法は次のとおりです。
税抜き、税込み、円換算を先にするか後にするかの組み合わせです。
A:税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)を円換算後、消費税額等を算出する方法
B: 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)を円換算後、消費税額等を算出する方法
C: 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法
D: 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法
注1
消費税額等の算出に係る円換算の方法は、資産の譲渡等の対価の額の円換算の方法と同様、所得税又は法人税の課税所得金額の計算において外貨建ての取引に係る売上金額その他の収入金額を円換算する際の取扱いの例により行うこととなります。ただし、適格請求書等を交付するときにおいて、所得税又は法人税の例により円換算することが困難な場合における消費税額等の算出に係る円換算の方法は、例えば、適格請求書等を交付する日における換算レートや決済日における換算レート等を継続して使用するなど、合理的な方法によることとして差し支えありません。
(アンダーライン部分が11月改訂で追加されています)
注2
税率ごとに区分した対価の額を円換算する際、端数処理を行うかどうかは事業者の任意となります。なお、ここでの端数処理は、税率ごとに区分した対価の額の計算であり、適格請求書の記載事項としての「消費税額等」の端数処理には該当しません。
注3
消費税額等の端数処理は、「1円未満」の端数が生じた場合に行うものであるため、計算過程の外貨建ての消費税額等を算出する際に、端数処理を行うことはできません。
(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年11月改訂 問59)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
日曜日の「経理・会計」の記事はお休みしました。
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