電子データで提供される取引明細書と、書面で交付する支払通知書を合わせて保存する場合に仕入税額控除を受けるためには ~ インボイス制度 消費税[137]
インボイス制度の記事を掲載します。
今回は
書面(支払通知書)と電子データ(取引明細書)の両方がある場合の保存要件
を紹介します。
たとえば、次のような書面(支払通知書)と電子データ(取引明細書)の取引をしている場合
① EDI取引により、取引先と電子データを交換しています。決済は取引先から請求書が交付されず、当社から取引先に、月まとめで支払通知書を書面で交付しています。
② 支払通知書には相手方の登録番号の記載を行います。日々の取引の明細は、取引先から提供される取引明細書(電子データ)を参照します。
相手方の確認を受けた上で、書面(支払通知書)と電子データ(取引明細書)を合わせて保存することで、仕入税額控除の要件である「仕入明細書の保存」とするためには
相手方から確認を受けた「仕入明細書」を仕入税額控除の要件として保存すべき請求書とするには、次の事項が記載されていることが必要です。
保存すべき請求書には仕入明細書に係る電子データも含まれます。
① 仕入明細書の作成者の氏名または名称
② 課税仕入れの相手方の氏名または名称および登録番号
③ 課税仕入れを行った年月日
④ 課税仕入れに係る資産または役務の内容
⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額および適用税率
⑥ 税率ごとに区分した消費税額
①~⑥の記載事項は、一種類の書類だけで記載事項を満たす必要はありません
複数の書類や、書類と電子データについて、書類と電子データ記録相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法で交付されていれば、その複数の書類や電子データの全体により適格請求書の記載事項を満たします。
例示のケースでは
課税資産の譲渡等の内容を記録した取引明細に係る電子データと書面で作成する支払通知書の全体により、請求書等の記載事項を満たすことになります。
したがって
書面(支払通知書)と電子データ(取引明細書)を合わせて保存することで、仕入税額控除のための請求書の保存要件をクリアーすることになります。
電子データ(取引明細書)の保存方法は、提供を受けた適格請求書に係る電子データの保存方法と同じです。
<参考>
→ 提供を受けた適格請求書に係る電子データの保存方法について
(出所:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問71)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」
(ピーター F.ドラッカー)
秋の1日を元気にお過ごしくださいね。
【編集後記】
トップ画像は樅山奈実さんの「+R」から。(ご本人の承諾を得ています)
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