井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2021.10.06.Wed | 消費税

電子データにより受け取った適格請求書を出力して書面により保存した場合、仕入税額控除の要件を満たしますか?~ インボイス制度 消費税[135]



インボイス制度の記事を掲載します。




今回は




整然とした形式および明瞭な状態で出力した書面を保存することで、仕入税額控除の保存要件は満たします




紹介します。




電子取引の取引情報とは


「取引に関して受領し、または交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項」 

のことです。


次の規定により電子取引の取引情報は、電子データとして保存する必要があります


電帳法第7条

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存

「所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。」


つまり


所得税法および法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等の取引情報を電子取引により授受した場合には、その取引情報に係る電子データを一定の方法により保存しなければならないこととされています。


一方、消費税の取り扱いは


現在の消費税の仕入税額控除の適用については


必要な事項が記載された帳簿および請求書等(書面)の保存が必要ですが、取引金額が3万円未満の場合や、3万円以上でも電子取引のようにデータのみが提供されるなど、書面での請求書等の交付を受けなかったことにやむを得ない理由がある場合には、帳簿のみを保存することにより仕入税額控除の適用を受けることができます。


インボイスが導入される令和5年10月以降は


帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けることができるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送など法令に規定された取引に限られることとなります。


したがって、「電子取引」を行った場合に仕入税額控除の適用を受けるためには


軽減税率の対象品目である旨や税率ごとに合計した対価の額など適格請求書等として必要な事項を満たすデータ(電子インボイス)の保存が必要となります。


しかし、法人税や所得税とちがって消費税では


消費税法上、電子インボイスを整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面を保存した場合には、仕入税額控除の適用を受けることができます。


<参考>

消費税法施行規則第15条の5

適格請求書等に記載すべき事項に係る電磁的記録の提供を受けた場合等の保存方法

「2 令第50条第1項及び第2項並びに前項の規定にかかわらず、これらの規定により同条第1項及び第2項に規定する電磁的記録を保存する事業者は、当該電磁的記録を出力することにより作成した書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力したものに限る。)を保存する方法によることができる。この場合において、当該事業者は、当該書面を、これらの規定により保存すべき場所に、これらの規定により保存すべき期間、整理して保存しなければならない。」


「整然とした形式及び明瞭な状態で出力した」とは


これ以上の詳細な説明が公表されていませんので、常識では判断すればよいと考えています。





「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」

(ピーター F.ドラッカー)

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