自ら作成した仕入明細書を相手方に確認してもらった後、適格請求書として保存する方法 ~ インボイス制度 消費税[132]
インボイス制度の記事を掲載します。
今回は
自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書として保存して、仕入税額控除を受けることができます
を紹介します。
適格請求書等保存方式(インボイス制度)は
令和5年10月1日に始まります。
インボイス制度では次の6点が変わります(ざっくりと)
① 請求書に記載する事項が変わります。
② 適格請求書は登録を受けた事業者のみが交付できます。
③ 登録を受けた事業者には適格請求書を交付する義務が生じます。
④ 仕入税額控除の適用を受けるためには適格請求書等の保存が必要となります。
⑤ 税額計算の方法が変わります。
⑥ 登録には申請が必要です。
仕入税額控除の適用を受けるための請求書に該当する仕入明細書は、相手方の確認を受けたものに限られます
<参考>
消費税法第30条
仕入れに係る消費税額の控除
9 第7項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類及び電磁的記録(省略)に規定する電磁的記録をいう。
三 事業者がその行った課税仕入れにつき作成する仕入明細書、仕入計算書その他これらに類する書類で課税仕入れの相手方の氏名又は名称その他の政令で定める事項が記載されているもの(当該書類に記載されている事項につき、当該課税仕入れの相手方の確認を受けたものに限る。)
課税仕入れの相手方の確認を受ける方法は次の3つです
① 仕入明細書等の記載内容を、通信回線等を通じて相手方の端末機に出力し、確認の通信を受けた上で、自己の端末機から出力したもの
② 仕入明細書等に記載すべき事項に係る電磁的記録につきインターネットや電子メールなどを通じて課税仕入れの相手方へ提供し、相手方から確認の通知等を受けたもの
③ 事前に相手方と契約などを締結する方法
つまり、仕入明細書等の写しを相手方に交付し、または仕入明細書等の記載内容に係る電磁的記録を相手方に提供した後、一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする基本契約等を締結した場合におけるその一定期間を経たものです。
こうした場合は、仕入明細書等の記載事項が相手方に示され、その内容が確認されている実態にあることが明らかであれば、相手方の確認を受けたものとなります。
具体的には次のようないずれかの方法です
ⅰ 仕入明細書に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」旨の通知文書を添付して相手方に送付し、または提供し、了承を得る方法
ⅱ 仕入明細書または仕入明細書の記載内容に係る電磁的記録に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」といった文言記載し、または記録し、相手方の了承を得る方法
こうした仕入明細書の記載事項は、適格請求書と同様に次の記載が必要です
① 書類の作成者の氏名または名称
② 課税仕入れの相手方の氏名または名称および登録番号
③ 課税仕入れを行った年月日
④ 課税仕入れに係る資産または役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容および軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額および適用税率
⑥ 税率ごとに区分した消費税額
(出所:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問67)
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