井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2021.08.10.Tue | 消費税

売上げに係る対価の返還等をした場合「適格返還請求書」を発行する必要があります ~ インボイス制度 消費税[121]



消費税の記事を掲載します。




今回は




適格請求書発行事業者が課税事業者に売上げに係る対価の返還等を行う場合、「適格返還請求書」を交付する義務があります





を紹介します。


まず適格請求書等保存方式(インボイス制度)は


令和5年10月1日に始まります。


インボイス制度では次の6点が変わります(ざっくりと)


① 請求書に記載する事項が変わります。

② 適格請求書は登録を受けた事業者のみが交付できます。

③ 登録を受けた事業者には適格請求書を交付する義務が生じます。 

④ 仕入税額控除の適用を受けるためには適格請求書等の保存が必要となります。

⑤ 税額計算の方法が変わります。 

⑥ 登録には申請が必要です。


売上げに係る対価の返還等とは


課税売上げに係る返品、値引きなどがある場合、課税標準額は総売上高ベースで計算し、返品、値引きなどに対する消費税は、別枠で控除することとされています。

一方、売上高から直接減額する会計処理を行っている場合は、減額後の売上高により課税標準額を掲載することができます。


インボイス制度では


適格請求書発行事業者には、課税事業者に売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書を交付する義務が課されています。


適格返還請求書の記載事項は次のとおりです


① 発行業者の名称および登録番号

② 対価の返還の年月日および対価の返還等の基となった資産の譲渡日

③ 対価の返還等の基となる資産の譲渡等に係る資産または役務の内容

④ 対価の返還等の税抜価額または税込価額を税率ごとに区分した合計額

⑤ 対価の返還等の金額に係る消費税額等または適用税率


適格返還請求書の記載イメージは次のとおりです







日々、商品の返品があり、個々の商品について正確な販売年月日を把握することが困難な場合は次のような取り扱いで問題ありません


① 対価の返還等の基となった資産の譲渡日は、たとえば、月単位や「○月~○月分」など、課税期間の範囲内で一定の期間の記載で問題ありません。

② 返品等の処理を合理的な方法により継続して行っているのであれば、返品等の処理に基づき合理的と認められる年月日を記載することとしても差し支えありません。


税額控除が認められる売上げに係る対価の返還等とは、次のものをいいます


■金銭により割戻金を支払った場合

■割戻金に相当する金額につき、売掛金を減額した場合

■販売奨励金についても、金銭により支払うものに限ります。


<参考>

消費税法基本通達14-1-2 

事業者が支払う販売奨励金等


「事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先(課税資産の販売の直接の相手方としての卸売業者等のほかその販売先である小売業者等の取引関係者を含む。)に対して金銭により支払う販売奨励金等は、売上げに係る対価の返還等に該当する。」


(国税庁:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A問39、問40)




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