「居住用賃貸建物」の収入について課税分と非課税分がある場合の仕入れ税額控除について ~ 消費税[71]
消費税の記事を掲載します。
今回は
「居住用賃貸建物」の収入について課税分と非課税分がある場合の仕入れ税額控除について
を紹介します。
たとえば
3階建てのビルを購入しました。
1階は事務所用、2階・3階は賃貸マンションに使用した場合で、構造上も明確に区分できる仕様のとき、1階の事務所用部分は仕入れ税額控除の対象となるでしょうか?
「居住用賃貸建物」に係る課税仕入れ等の税額には,仕入税額控除の規定は適用されません(令和2年10月1日以後)
居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額については、仕入税額控除の対象としません。
居住用賃貸建物とは
「非課税となる住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物」以外の建物であって、高額特定資産または調整対象自己建設高額資産に該当するものをいいます。
「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物」とは
建物の構造および設備の状況その他の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが客観的に明らかなものをいいます。
たとえば、次に掲げるような建物が該当します。
(イ) 建物のすべてが店舗等の事業用施設である建物など、建物の設備等の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物
(ロ) 旅館またはホテルなど、旅館業法に規定する旅館業に係る施設の貸付けに供することが明らかな建物
(ハ) 棚卸資産として取得した建物であって、所有している間、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかなもの
したがって、事例のビルは居住用賃貸建物に該当します。
しかし
店舗兼住宅など住宅貸付けの用に供しないことが明らかな部分がある居住用賃貸建物について
建物の一部が店舗用になっている居住用賃貸建物を、その構造および設備その他の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分とそれ以外の部分(「居住用賃貸部分」といいます。)とに合理的に区分しているときは、その居住用賃貸部分以外の部分に係る課税仕入れ等の税額については、これまでと同じく仕入税額控除の対象となります。
したがって、事例の建物については、事務所部分と賃貸マンション部分とが明確に区分できる場合は、事務所部分は仕れ税額控除の対象となります。
<参考>
消費税法施行令
第50条の2 仕入れに係る消費税額の控除の対象外となる居住用賃貸建物の範囲
「法別表第一第13号に掲げる住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分がある居住用賃貸建物について同項の規定の適用を受けることとなる事業者が、当該居住用賃貸建物をその構造及び設備の状況その他の状況により当該部分とそれ以外の部分とに合理的に区分しているときは、当該居住用賃貸部分に係る課税仕入れ等の税額についてのみ、法第30条第10項の規定を適用する。」
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