井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2020.09.09.Wed | 消費税

「居住用賃貸建物」を取得した際の消費税が全額控除できなくなります。仕入税額控除の制限について ~ 消費税[59]

 

水曜日は消費税の記事を書いています。

 

今回は

 

居住用賃貸建物を取得した際の消費税が全額控除できなくなります。仕入税額控除の制限について

 

を紹介します。

 

今年度の消費税の改正で、「居住用賃貸建物」について、仕入税額控除制度を見直しされています。

 

改正の趣旨は次のとおりです

 

■住宅の家賃収入は非課税売上げです。住宅貸付けを行う建物取得に係る課税仕入れは、非課税資産の譲渡等にのみ要するものです。

したがって、仕入税額控除の適用を受けることができません。

 

 

■金地金売買を繰り返し行うことによって恣意的に課税売上割合を引き上げて,仕入税額控除の適用を受ける還付スキームが問題となっていました。その租税回避行為を防ぐためです。

 

 

令和2年10月1日以後に行う居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額には

 

仕入税額控除の規定は適用されません。

 

「居住用賃貸建物」とは

 

住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物で、高額特定資産※ などに該当するものをいいます。

 

また、建物の構造や設備の状況・その他の状況により住宅の貸付用でないことが客観的に明らかでない限りは「居住用賃貸建物」に該当します。仕入税額控除は認められません

 

※ 高額特定資産とは、棚卸資産及び調整対象固定資産のうち,その価額が1,000万円以上であるものをいいます。

 

具体的に「居住用賃貸建物」とは

 

たとえば、用途が賃貸用または販売用の建物で

 

■すべてが居住用の賃貸建物

 

■たとえば1階が店舗用でその他の階が居住用の賃貸建物など

 

居住用・店舗用の両方がある場合

 

居住用賃貸建物を、建物の構造や設備の状況・その他の状況により、店舗用部分と居住用賃貸部分とに合理的に区分しているときは、居住用賃貸部分についてのみ、仕入税額控除が制限されることになります。

 

住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分がある居住用賃貸建物については

 

合理的な基準により区分します。

つまり、建物の一部が店舗用の構造等となっている居住用賃貸建物などは、使用面積割合や使用面積に対する建設原価の割合など、その建物の実態に応じた合理的な基準により区分します。

 

居住用賃貸建物の仕入日の属する課税期間の翌々課税期間までの間において

 

事業用の貸付に転用または譲渡した場合には、仕入控除税額に加算調整するなど別途調整します。

 

 

 

今回の改正を含めて、消費税については、以前から自動販売機スキームも含めて特定の租税回避行為に対して、その取引について改正されています。

その都度、複雑化しています。

 

これに伴い税理士会は令和3年度の最重要建議で次のよう建議しています

 

「非課税取引のうち社会政策的配慮に基づく取引は課税取引とし、課税標準及び仕入税額控除の計算過程に取り込み、小規模事業者判定における売上高基準にも反映させ、計算をできるだけ平易にすべきです」

 

 

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消費税[パート2]

 

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消費税[パート1]

 

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