土地売却の際に不動産業者に支払った仲介手数料は仕入税額控除ができますか?95%ルール ~ 消費税[58]
水曜日は消費税の記事を書いています。
今回は
土地売却の際に不動産業者に支払った仲介手数料は仕入税額控除ができますか?95%ルール
を紹介します。
消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上げに係る消費税額からその課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額を控除して計算します。
「課税仕入れ」とは、事業のために他の者から資産の購入や借り受けを行うこと、または役務の提供を受けることをいいます。ただし、非課税となる取引や給与などの支払は含まれません。
土地の売却は非課税ですので、仲介手数料は非課税売上に対応する「課税仕入れ」になります。しかし、仕入税額控除の対象となるのかならないのか?
次のように判定します。
仕入控除税額計算の方法の考え方について
課税売上割合が95%以上の場合には、非課税売上げに対応する課税仕入れを含めて、その全額について仕入税額控除の対象とすることができます。
しかし
課税売上割合が95%未満の場合
課税仕入れに係る消費税額の全額を控除できません。
個別売上対応方式または一括比例配分方式のいずれかの方法により計算することになります。
※ 課税売上割合が95%以上であっても、課税期間の課税売上高が5億円を超える場合には、個別売上対応方式または一括比例配分方式のいずれかの方法により計算することになります。
個別売上対応方式とは
課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを
①課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
②非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
③課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの
に区分し、次の算式により計算した仕入控除税額をその課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。
(算式)
仕入控除税額 = ① + (③ × 課税売上割合)
この方式は①~③の区分がされている場合に限り、採用することができます。
一括比例配分方式とは
個別対応方式を適用する場合は、課税仕入れの税額を、その用途に応じて①~③に区分する必要があります。
用途区分が困難な事業者に対する簡便法として一括比例配分方式が認められています。
(算式)
仕入控除税額 = 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合
個別売上対応方式または一括比例配分方式の選択について
■課税仕入れの用途区分ができる場合でも、一括比例配分方式を適用することは問題ありません。
■ただし、一括比例配分方式を選択した場合には、2年間以上継続して適用した後でなければ、個別対応方式に変更することはできません。
■個別売上対応方式と一括比例配分方式を比較して、いずれか有利な方法を採用します。(2年間分について有利・不利を検討します。)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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消費税[パート2]
[51] 「免税事業者の判定」特定期間の課税売上高について注意するポイント
[52] 前受金、仮受金として金銭を受け取ってもその時点で消費税はかかりません
[53] 飲食店主が業務用食材を使って食事をしました。消費税の課税対象になります
[54] 新車の販売業者が中古車を下取りした場合、下取り価額控除前の金額が課税対象になります
[55] 売上げに返品や値引きがあった場合の消費税の課税標準額の計算
[56] 免税事業者から商品を仕入れた場合、消費税の納税義務者ではないので「課税仕入れ」に該当しない?
[57] 免税事業者が課税事業者となったときは、期首在庫に含まれる消費税に注意します
消費税[パート1]
① 持ち帰りと店内飲食を、税込みで同じ価格にする方法があります
② 国内で行う商品の発送、内国法人は輸出免税の適用を受けることができません
④ 消費税アップ後、消費税負担が下がり増税後の方が得になります
⑤ どう選択するか?「軽減税率対策補助金」と「キャッシュレス・消費者還元事業」
⑥ 軽減税率導入に伴う、飲食料品を取扱う「卸売業者」や「小売業者」のキホン
⑦ 税抜き/税込み、どちらの表示が正しいの?わかりづらい外税表示と総額表示
⑨ 来年の確定申告時には消費税率8%から10%の差額に対応する消費税額が増加します
⑩ 国外事業者に支払うインターネット宿泊予約サイトへの掲載手数料の取扱い
⑪ 「消費税の軽減税率」で飲食店の価格表示はどうなるのか?どうするのか?
⑫ テイクアウトできる飲食店の価格表示?税込価格を異なるようにする場合
⑬ 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの食事の提供は課税です
⑭ 有料老人ホームなどで提供される食事が軽減税率(8%)となる場合のルール
⑮ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)とされる理由
⑯ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)となるための金額ルール
⑰ 老人ホームの食事に厨房管理費と食材費がある場合の軽減税率の考え方
⑱ 「簡易課税」とは。簡易課税の選択を検討することをおすすめします
⑲ 「原則課税」または「簡易課税」の選択。その有利・不利の判定の仕方
㉑ お店が8%と10%の商品を購入した際、税込経理でも区分経理が必要です
㉕ ポイント即時充当によるキャッシュレスの消費税仕入税額控除の考え方
㉖ 税率ごとに区分経理した帳簿から「課税取引金額計算表」を作成します
㉗ 区分経理が間に合わない個人事業者のための「消費税簡易課税制度選択届出書」特例
㉘ 還元事業の「ポイント付与」「口座充当」「引落相殺」「即時充当」の会計処理
㉙ 消費税の課税事業者とは?申告に必要な手続き。「消費税課税事業者届出書」の提出
㉛ 課税事業者になる方が有利な場合に提出します「消費税課税事業者選択届出書」
㉜ 「消費税簡易課税制度選択届出書」と「特例消費税簡易課税制度選択届出書」
㉟ 簡易課税制度適用事業者が免税事業者となった後、ふたたび課税事業者となった場合
㊱ 消費税の課税事業者選択について、提出した日から適用できるケース
㊳ 賃貸オフィスの「権利金」「更新料」「保証金」「敷金」の消費税の取扱いについて
㊴ 賃貸マンションを売却した際に、買主から受け取る固定資産税の消費税の取扱い
㊵ ビール券や商品券の消費税(課税・非課税・不課税)の取扱いの考え方
㊶ 認可外保育所の利用料について、消費税が非課税になるケースがあります
㊷ 基準期間の課税売上高1,000万円を超える事業主は、消費税の納税義務があります。その場合、今年の課税売上高がいくらかは関係ありません。
㊸ 課税期間開始後であっても課税事業者を選択することができます「新型コロナ特例」
㊹ 課税期間開始後であっても課税事業者の選択をやめることができます「新型コロナ特例」
㊺ 課税期間開始後であっても簡易課税制度を選択(または選択をやめる)ことができます~新型コロナなど災害により被害を受けた場合の特例
㊻ 新設法人などが調整対象固定資産を取得した場合、納税義務が免除になります~新型コロナ特例
㊼ 高額特定資産を取得した場合、特例対象者は納税義務が免除になります
㊽ 廃業後、個人事業者が新たな事業を開始した場合の納税義務の考え方
㊾ 相続で事業を引き継いだ場合の個人事業者の消費税納税義務について
㊿ 税基準期間の課税売上高。免点の1,000万円と比較する課税売上高に含めるもので注意するポイント
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