高額特定資産を取得した場合、特例対象者は納税義務が免除になります【新型コロナ特例】~消費税㊼
今回は
「高額特定資産を取得した場合、特例対象者は納税義務が免除になります【新型コロナ特例】」
を紹介します。
通常、高額特定資産の仕入れ等を行った場合
高額特定資産※の仕入れ等を行い、その仕入れ等の日※※ の属する課税期間について一般課税で申告を行う場合、その仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年間は納税義務が免除されません。
※ 高額特定資産とは
一の取引単位につき、1,000 万円(税抜き)以上の棚卸資産または調整対象固定資産をいいます。
※※ 自己建設高額特定資産について
自己建設高額特定資産(他の者との契約に基づき、またはその事業者の棚卸資産もしくは調整対象固定資産として、自ら建設等をした高額特定資産)を取得した場合の高額特定資産の仕入れ等の日は、自己建設高額特定資産の建設等に要した仕入れ等の支払対価の額(建設費用)の累計額が1,000 万円以上となった日となります。
しかし、特例対象者は
特定課税期間の初日以後2年を経過する日の属する課税期間までの間までの課税期間において高額特定資産の仕入れ等を行った特例対象事業者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けることで、特定課税期間以後の課税期間について、この3年間の納税義務が免除されない制限を解除することができます。
この特例の対象となるのは
新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までの間のうち任意の連続 した1か 月以上の 期間(「調査期間」といいます。)の事業としての収入金額が、前年の同時期と比べて、 概ね50%以上減少している事業者が対象です。
承認申請手続き(特例の承認を受けようとする場合)
特例の承認を受けようとする場合、「新型コロナ税特法第10 条第4項から第6項の規定に基づく納税義務の免除の特例不適用承認申請書」に「確認書類」を添付して、次の期限までに納税地の所轄税務署長に提出することが必要です。
①と②のいずれか遅い日
①特定課税期間の確定申告書の提出期限
②高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の末日
たとえば具体的な事例は次とおりです
高額特定資産を取得していた3月末決算法人が、新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年3月1日から1か月間、事業としての収入が著しく減少したことから、令和2年3月期における納税義務の免除の制限を解除する場合
次のような場合です。
■納税義務が免除される事業者は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000 万円以下の事業者です。
■特定期間における課税売上高が1,000 万円を超える場合等には、納税義務が免除されない場合があります。
承認申請書に添付する「確認書類」とは
承認申請書に添付する「新型コロナウイルス感染症等の影響により事業としての収入の著しい減少があったことを確認できる書類」(確認書類)とは、例えば、損益計算書、月次試算表、売上帳、現金出納帳、預金通帳のコピーなどで、令和2年2月1日から令和3年1月31日までの間のうち任意の1か月以上の期間(調査期間)と、その調査期間に対応する期間の事業としての収入の金額が確認できる書類のことです
(出所:国税庁リーフレット「消費税の課税選択の変更にかかる特例」)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Never waste a good crisis!
向暑の1日を元気にお過ごしください。
創業者には、事業を着実に成長させるために、決算書の会計データを計器盤として利用することをおすすめしています。次のようなサービスを提供しています。
▶ 創業起業サポート 「創業者応援クラウド会計サービス」と「顧問相談クラウドサービス」
お伺いして、会計処理や税務の相談や提案などさせていただくサポートサービスを提供しています。
消費税
① 持ち帰りと店内飲食を、税込みで同じ価格にする方法があります
② 国内で行う商品の発送、内国法人は輸出免税の適用を受けることができません
④ 消費税アップ後、消費税負担が下がり増税後の方が得になります
⑤ どう選択するか?「軽減税率対策補助金」と「キャッシュレス・消費者還元事業」
⑥ 軽減税率導入に伴う、飲食料品を取扱う「卸売業者」や「小売業者」のキホン
⑦ 税抜き/税込み、どちらの表示が正しいの?わかりづらい外税表示と総額表示
⑨ 来年の確定申告時には消費税率8%から10%の差額に対応する消費税額が増加します
⑩ 国外事業者に支払うインターネット宿泊予約サイトへの掲載手数料の取扱い
⑪ 「消費税の軽減税率」で飲食店の価格表示はどうなるのか?どうするのか?
⑫ テイクアウトできる飲食店の価格表示?税込価格を異なるようにする場合
⑬ 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの食事の提供は課税です
⑭ 有料老人ホームなどで提供される食事が軽減税率(8%)となる場合のルール
⑮ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)とされる理由
⑯ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)となるための金額ルール
⑰ 老人ホームの食事に厨房管理費と食材費がある場合の軽減税率の考え方
⑱ 「簡易課税」とは。簡易課税の選択を検討することをおすすめします
⑲ 「原則課税」または「簡易課税」の選択。その有利・不利の判定の仕方
㉑ お店が8%と10%の商品を購入した際、税込経理でも区分経理が必要です
㉕ ポイント即時充当によるキャッシュレスの消費税仕入税額控除の考え方
㉖ 税率ごとに区分経理した帳簿から「課税取引金額計算表」を作成します
㉗ 区分経理が間に合わない個人事業者のための「消費税簡易課税制度選択届出書」特例
㉘ 還元事業の「ポイント付与」「口座充当」「引落相殺」「即時充当」の会計処理
㉙ 消費税の課税事業者とは?申告に必要な手続き。「消費税課税事業者届出書」の提出
㉛ 課税事業者になる方が有利な場合に提出します「消費税課税事業者選択届出書」
㉜ 「消費税簡易課税制度選択届出書」と「特例消費税簡易課税制度選択届出書」
㉟ 簡易課税制度適用事業者が免税事業者となった後、ふたたび課税事業者となった場合
㊱ 消費税の課税事業者選択について、提出した日から適用できるケース
㊳ 賃貸オフィスの「権利金」「更新料」「保証金」「敷金」の消費税の取扱いについて
㊴ 賃貸マンションを売却した際に、買主から受け取る固定資産税の消費税の取扱い
㊵ ビール券や商品券の消費税(課税・非課税・不課税)の取扱いの考え方
㊶ 認可外保育所の利用料について、消費税が非課税になるケースがあります
㊷ 基準期間の課税売上高1,000万円を超える事業主は、消費税の納税義務があります。その場合、今年の課税売上高がいくらかは関係ありません。
㊸ 課税期間開始後であっても課税事業者を選択することができます「新型コロナ特例」
㊹ 課税期間開始後であっても課税事業者の選択をやめることができます「新型コロナ特例」
㊺ 課税期間開始後であっても簡易課税制度を選択(または選択をやめる)ことができます~新型コロナなど災害により被害を受けた場合の特例
㊻ 新設法人などが調整対象固定資産を取得した場合、納税義務が免除になります~新型コロナ特例
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「介護事業」
・水曜日は「消費税」
・木曜日から日曜日は特にテーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。