新しい公益信託税制における委託者の信託財産拠出時の税制優遇措置について~ 公益信託[24]
公益信託の記事を掲載します。
優遇措置は次の3つです。①寄附金控除、②譲渡所得等の非課税、③相続税の非課税
を紹介します。
個人が委託者・寄付者の場合の信託財産拠出時の主な税制優遇措置は次の3つです。
① 寄附金控除の改正
公益信託に対して財産を拠出した個人は、寄附金控除を受けることができます。
旧制度においては、認定特定公益信託についてのみ認められていたものですが、さらに今回、すべての公益信託の信託財産とするために支出したその公益信託に係る信託事務に関連する寄附金が「特定寄附金」の対象となります。
一方、住民税については、都道府県又は市区町村が条例により指定した寄附金は、個人住民税の額から税額控除されます。
② 譲渡所得等の非課税
新しい公益信託制度において、株式や不動産などの現物資産も信託財産とすることが想定されます。
国税庁長官の承認を受けたものについては、譲渡所得等の非課税の対象となります。
<参考> 租税特別措置法第40条
(国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税)
「国又は地方公共団体に対し財産の贈与又は遺贈があつた場合には、所得税法第59条第1項第1号の規定の適用については、当該財産の贈与又は遺贈がなかつたものとみなす。
公益法人等(次に掲げる者をいう。)に対する財産の贈与又は遺贈(同法第67条の3第8項の規定により第2号に規定する公益信託の受託者に対して贈与又は遺贈により当該財産の移転が行われたものとされた場合におけるその贈与又は遺贈及び当該公益法人等を設立するためにする財産の提供を含み、同号に掲げる者(第1号に掲げる者に該当する者を除く。)に対するものである場合には第2号に規定する公益信託の信託財産とするためのものに限る。)」
③ 相続税の非課税
旧制度において、認定特定公益信託においてのみ認められていた相続財産を公益信託に対して寄附した場合等の相続税の非課税制度について、すべての公益信託に対する寄附において、認められることとなっています。
<参考> 租税特別措置法第40条③
(国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税等)
「相続又は遺贈により財産を取得した者が、当該取得した財産に属する金銭を第1項に規定する申告書の提出期限までに特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものの信託財産とするために支出した場合には、当該支出により当該支出をした者又はその親族その他これらの者と相続税法第64条第1項に規定する特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合を除き、当該金銭の額は、当該相続又は遺贈に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入しない。」
(出所:週刊税務通信NO3829 新公益法人・公益信託制度の概要とポイント)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
冬の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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