新しい「公益信託」制度の全体像と検討の方向性が示されています ~ 公益信託[9]
公益信託の記事を掲載します。
7/5に「公益法人・公益信託制度改革の今後のスケジュール、進め方」や「政令、内閣府令等の検討の方向性」について、フォローアップ会合が開催されています
を紹介します。
フォロ-アップ会合での検討は、メインは公益法人制度に関する見直しですが、
一方で、公益信託制度の見直しの全体像が示されています。
次の5つの分野で見直しの指針が明らかになっています。
1 新公益信託法について
① 主務官庁制の廃⽌・⾏政庁の⼀元化
② 公益法⼈認定等委員会等による公益認定・監督制度の構築
③ 公益法⼈の公益認定に整合的な認可基準・監督体制の法定
④ 公益信託認可を受けた公益信託すべてについて、基本的に公益法⼈並びの税制優遇の措置(認可に連動した税制優遇、受託者・信託財産等の拡⼤)
⑤ 既存の公益信託の移⾏措置
2 政令・内閣府令について
公益法⼈制度と整合的な形で、信託としての特殊性を踏まえつつ、次のとおり整備します。
① 公益信託認可の申請書に記載する事項および添付書類、公益信託認可基準の具体化・明確化に係る 政令・内閣府令などを整備
② 財務規律、⾏政⼿続および透明化等に係る内閣府令などを整備
3 ガイドライン(運用指針)の整備について
今回の制度改⾰の⼀環として、公益認定等に係る公益法⼈にとっての予⾒可能性や⾏政庁の判断の透明性をより⾼めるものとなるよう全体的に⾒直しを⾏います。
① 公益法⼈制度と整合的な公益信託ガイドラインの策定
② モデル公益信託契約書案等の策定
③ 公益法⼈制度の⾒直しを踏まえ、公益信託の特⻑である軽量・軽装備を⽣かした⼿続簡素化を検討
④ 公益信託に適したモデル事例の研究
4 会計基準について
公益法⼈の会計基準と整合的な、公益信託の会計の在り⽅を検討(会計研究会において今後検討予定)します。
5 その他
① 信託業法との関係整理
② 公益法⼈との⼀元的なプラットフォームの整備
③ 公益法⼈制度の⾒直しや従前の認定・監督の蓄積を踏まえた公益信託制度の運⽤⽅針の検討
④ 地⽅⾃治体の制度移⾏の⽀援
⑤ ユーザーに公益信託の潜在⼒を周知するための戦略的広報・周知活動の展開
<参考>
(出所:24/07/05 新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議第2回フォローアップ会合資料1-1)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
小暑の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
【編集後記】
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
消費税の記事を取り上げて、月曜日~木曜日に記事を書いております。
金曜日は、公益信託の記事を掲載する予定です。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。