免税事業者等からの課税仕入れの経過措置を適用する場合の税額計算について ~ インボイス制度 消費税[666]

消費税の記事を掲載します
積上げ計算では「計算方法1」と「計算方法2」の2つがあります
を紹介します。
たとえば
Q:
① インボイス保存方式開始後6年間は、免税事業者等からの課税仕入れについても一定割合の仕入税額控除の適用を受けられるとのことです。
② その場合の仕入税額控除の具体的な計算方法を教えてください?
A:
次のとおりです。
1 仕入税額について「積上げ計算」を適用している場合
① 経過措置の適用を受ける場合においても「積上げ計算」により計算する必要があります。
② 経過措置の適用を受ける課税仕入れの都度、その課税仕入れに係る支払対価の額に 110分の7.8(軽減税率の対象となる場合は108分の6.24 )を乗じて算出した金額に100 分の80を乗じて算出します。その金額に1円未満の端数が生じたときは、その端数を切捨てまたは四捨五入します。( 計算方法1のこと)
② 経過措置の適用を受ける課税仕入れ区分して管理し、課税期間の中途や期末において、区分した課税仕入れごとに上記の計算を行うこととしても差し支えありません。
③ また、税抜経理を採用している場合、課税仕入れの都度、経過措置対象分(消費税額等相当額の100分の80)の仮払消費税額等を算出し端数処理(その金額に1円未満の端数が生じたときは、その端数を切捨てまたは四捨五入します。)を行っていれば、その金額の合計額に 100 分の 78 を乗じて算出した金額(切捨て)を経過措置の適用を受けた課税仕入れに係る消費税額としても差し支えありません。( 計算方法2のこと)
税抜経理を採用し、積上げ計算を行っている場合における免税事業者の者からの課税仕入れに係る経過措置を適用する場合の税額計算(標準税率適用時の場合)

2 仕入税額について「割戻し計算」を適用している場合
① 経過措置の適用を受ける場合においても「割戻し計算」により計算する必要があります。
② 課税期間中に行った本経過措置の適用を受ける課税仕入れに係る支払対価の額の合計金額に110分の7.8(軽減税率の対象となる場合は108分の6.24)を乗じて算出した金額に100分の80を乗じて算出します。
経過措置を適用できる期間に応じた割合は次のとおりです

(出所:インボイスQ&A 問130)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
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