井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.06.28.Thu | 介護事業

老健施設の医療の評価「かかりつけ医連携薬剤調整加算の新設」~平成30年度介護報酬改定 介護老人保健施設④

平成30年度介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介しています。

介護老人保健施設サービスの4回目です。

 

介護給付費分科会(第152回 平成29年11月22日)では次のとおり

介護老人保健施設とかかりつけ医との連携で次の点が論点になっていました

■論点

入所時における介護老人保健施設の医師とかかりつけ医との連携が必ずしも十分ではない。特に医薬品の適正使用の推進の観点から、介護老人保健施設の医師・薬剤師とかかりつけ医が連携して利用者に対する多剤投薬を見直す取組みについてどのように考えますか?

■対応案

多剤投薬されている入所者の処方方針を介護老人保健施設の医師とかかりつけ医が事前に合意し、その処方方針に従って減薬する取組みについて、診療報酬改定における対応を鑑みながら、必要に応じて評価してはどうでしょうか。

 

介護老人保健施設入所者の服薬数

平均5.9種類を服薬している状況

 

多剤処方の問題点があります。

・高齢者では、6剤以上の投薬が特に有害事象の発生増加に関連している。

・高齢者の薬物有害事象は、意識障害、低血糖、肝機能障害、電解質異常、ふらつき・転倒の順に多かった。

(出所:介護給付費分科会資料)

新設の「かかりつけ医連携薬剤調整加算」とは

老健施設の医療の評価として、6種類以上の内服薬が処方されている入所者に対して、老健施設の医師と主治医が調整について合意し、老健施設の医師が減薬に取り組み、退所時に入所時に比べ1種類以上減少している場合に算定できます。

 

新設の単位数は次のとおり


かかりつけ医連携薬剤調整加算の算定要件は次のとおりです

次のいずれの基準にも適合する入所者に対し、当該入所者に処方する内服薬の減少について退所時又は退所後1月以内に当該入所者の主治の医師に報告し、その内容を診療録に記載した場合は、当該入所者1人につき1回を限度として、当該入所者の退所時に加算する。

 

①6種類以上の内服薬が処方されており、当該処方の内容を介護老人保健施設の医師と当該入所者の主治の医師が共同し、総合的に評価及び調整し、当該入所者に処方する内服薬を減少させることについて当該介護老人保健施設の医師と当該主治の医師が合意している者

②当該合意された内容に基づき、介護老人保健施設の医師が、当該入所者に処方する内服薬について、入所時に処方されていた内服薬の種類に比べ1種類以上減少させた者

③退所時において処方されている内服薬の種類が、入所時に比べ1種類以上減少している者

 

 

減薬については「診療報酬改定」でも加算が新設されています。かかりつけ医も評価されるようになっています

「薬剤適正使用連携加算」が新設されて、老健施設などで減薬調整された処方内容を、かかりつけ医療機関が適切に引き継ぐことを評価する内容となっています。

 

 

「かかりつけ医連携薬剤調整加算」は、多剤投薬されている入所者の処方方針を介護老人保健施設の医師とかかりつけ医が事前に合意し、減薬する取組みです。

今回の加算の新設は、老健施設の医師によるポリファーマシー解消を評価しようとするものです。

後年度にその効果をぜひ検証して欲しいです。

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

今日も初夏の1日を元気にお過ごしください。

 

火・木曜日は、「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。

ブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度「介護老人保健施設」の介護報酬改定は、次のとおりです。

① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入

② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し

③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収

 

平成30年度「訪問看護」の介護報酬改定は、次のとおりです。

① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減

② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します

④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟

 

平成30年度「居宅介護支援」介護報酬改定の重要事項は次のとおり。

① 居宅介護支援は、見直されて基本報酬は約1%引き上げ

② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し

③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し

④ 末期がん患者の在宅看取りの際に発生する頻回の支援を評価するターミナルケアマネジメント加算の新設

⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ

⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し

 

平成30年度「訪問介護サービス」介護報酬改定の重要事項は次のとおり。

① 基本報酬の見直しは

 見守り的援助は身体介護に該当することを明確化

 新たに生活援助従事者研修課程が創設されました。

④ 生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設

⑤ 集合住宅減算はすべての建物が対象となります

⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付ける。要介護1=27回以上など

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

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