貸借対照表上の土地の価額は、資産価値の実態を反映していますか?~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方⑱
土曜日は、経営者の方が自社の決算書の数字を理解して、経営に活かせる“会計”の考え方を解説しています。
18回目です。
「不良資産が正しく評価されているか。意識しましょう」
通常は、中小企業の場合の決算は
税法基準で決算を行っています。法人税の世界では、土地などの資産については、買ってきた時の値段で計上します。そして、そのまま取得時の価額で計上し続けます。
たとえば、バブルの時に高額な値段で購入した土地の価値が下落してしまっている場合などは、取得時の原価は資産価値の実態を反映しなくなっています。
金融機関では実態貸借対照表で評価します
こうした場合、銀行などの金融機関は、資産の評価が適切に行われていない可能性があるという視点で、実態貸借対照表を作成します。
事業に使っていない土地は時価で評価します。
たとえば、非事業用の土地が、路線価などで見て30百万円の価値しかないとすると、貸借対照表に計上した50百万円との差額20百万円の含み損を抱えていると評価します。
有価証券やゴルフ会員権なども同様です。
非事業用の土地と同じです。時価との差額を資産からマイナスした価値で評価されます。
含み損の計算をして、実態貸借対照表を作成して企業を評価します。
会計の世界では評価損を計上します。
資産価値の下落分について、資産の金額から下落分を減額して、同時にこれを損失としてとらえて評価損を計上します。
■貸倒引当金…得意先の倒産等により売掛金などが回収不能になるリスクを損失評価
■不良在庫の評価…不良在庫についての評価損を計上
■有価証券の減損…株式等の時価が著しく下落している場合に損失を計上
資産価値の下落分を評価する場合の時価とは
時価とは市場価格です。上場株式などは市場価格がすぐに分かります。
しかし、他の資産の時価というのは算定するのが困難な場合が多いでしょう。その場合は時価イコール合理的に算定された価額ということになります。
不動産であれば、不動産鑑定士による鑑定評価額などが該当することになります。
決算書のうち土地などの資産で大きな含み損や含み益がある資産の評価については、時価を意識します。
経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
Every day is a new day!
初夏の1日を元気にお過ごしください!
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑪ 経常利益・略してケイツネはPLの中で最も重要な利益(よく見せたいという気持ちになりやすい)
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益。なぜこの利益を出す必要があるのか?
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
⑯ 固定資産はすぐに現金化できない資産。使い続けることで利益を生み出す資産です。
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
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