介護老人保健施設の役割は「在宅復帰・在宅療養支援」。この役割から基本報酬体系が大幅に見直しされています~平成30年度介護報酬改定 介護老人保健施設②
平成30年度介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介しています。
介護老人保健施設の2回目です。
地域包括ケア強化法の改正により、平成30年4月から介護老人保健施設の役割が次のように明確になっています。
■在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設
■リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設
(出所:厚生労働省介護給付費分科会資料)
それに伴い介護老人保健施設の基本報酬は、在宅復帰・在宅療養支援機能を評価し、3タイプから改定後は5タイプに再編されています。
(出所:日経ヘルスケア4月号)
再編後のポイントとしては、次の2点があげられます。
■「その他型」は加算が算定できない。
■基本型以上では基本報酬は引き上げられ、加算が算定可能。
改定後の基本報酬を踏まえて具体例で考えますと
たとえば、改定前の「在宅強化型」から「超強化型」に移行を検討します。
要介護2の場合は、改定前の基本報酬は892単位から、改定後は938単位になります。46単位増加します。定員100人の施設(満室)で試算しますと、次のようになります。
① 1日 = 4,600単位 ↑
② 1月 = 138,000単位 ↑
③ 1年 =16,560,000円 ↑
このように「超強化型」で算定できれば、入所定員100人で年16,560千円の収入の増加が可能になります。
在宅復帰・在宅療養支援等指標は次のとおりです
「基本型」であれば、指標で40点以上の在宅復帰・在宅療養支援加算(Ⅰ)をとり「加算型」に、「在宅強化型」であれば、指標70点以上の在宅復帰・在宅療養支援加算(Ⅱ)をとり「超強化型」に、各々の要件をクリアする取り組みを検討する必要があります。
(出所:厚生労働省介護給付費分科会資料)
老健施設の改定前の在宅復帰支援機能評価に関する算定割合の分布は次のとおりです。
A 在宅強化型 245施設(13.6%)
B 加算型 530施設(29.3%)
C 従来型 1,032施設(57.1%)
(出所:介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査 平成28年度調査)
現状では従来型の施設が半数以上です。
いかに在宅復帰支援機能を強化して、点数を向上させるかがポイントです。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
初夏の1日を元気にお過ごしください。
火・木曜日は、「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
平成30年度「介護老人保健施設」の介護報酬改定は、次のとおりです。
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
平成30年度「訪問看護」の介護報酬改定は、次のとおりです。
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
平成30年度「居宅介護支援」介護報酬改定の重要事項は次のとおり。
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
④ 末期がん患者の在宅看取りの際に発生する頻回の支援を評価するターミナルケアマネジメント加算の新設
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
平成30年度「訪問介護サービス」介護報酬改定の重要事項は次のとおり。
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付ける。要介護1=27回以上など
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」