「流動資産」の3つの区分~資産でないものが含まれています。~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方⑮
土曜日は、経営者にとって必要な“会計”を紹介します。
経営者の方が自社の決算書の数字を理解して、経営に活かせる“会計”の考え方を解説しています。
今回は
「流動資産」の3つの区分~資産でないものが含まれています
決算書の読み方・活かし方の15回目です。
貸借対照表とは
貸借対照表は、①流動資産、②固定資産、③流動負債、④固定負債、⑤純資産に分けられます。
流動資産は1年以内に現金化できる資産のことでした
この流動資産は次の3つに分けられます。
下図を参照ください。
① 当座資産
現金及び預金、受取手形、売掛金、有価証券(すぐに現金化できるもの)の4つは、とくに現金化しやすく、最も現金に近い資産として当座資産とよばれます。
当座とは、その場ですぐ、という意味です。流動資産のなかでもとくに現金化しやすい資産を指します。短期的な支払能力が分かります。
この中で、売掛金と受取手形を合わせて、売上債権と呼びます。
② 棚卸資産
いわゆる在庫のことです。当座資産と比べて現金化されるまで時間が少しかかります。販売されて、売掛金などの資産となり、その売掛金を回収してはじめて現金化されるものです。
棚卸資産として一括表示されることもありますが、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料など内訳ごとに示す場合があります。
③ その他の資産
図では前払費用を記載していますが、これは将来現金化されません。いずれ取り崩され、費用に振り替えられます。現金化されるのではなく費用化されます。
現金で回収されるわけではなく、費用に振り替えられるまでの間、経過的に資産として処理されているに過ぎません。
具体例でいうと、家賃などで、翌月分の家賃を前月に支払いますが、費用として計上するのは翌月になります。それまでの間は前払家賃(前払費用)という資産に繰り延べておくという考え方です。
銀行が資産として価値がないとしている流動資産があります
前払費用、仮払金、立替金などは、一時的には資産として計上されていますが、ほとんどの場合は費用になります。その場合、銀行は資産として価値がないと判断して、それらの資産を除いて実態貸借対照表で評価します。
このように、利益だけでなく貸借対照表の枠組みの理解とその評価の視点をもつことをおすすめします。
また、経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ために、決算書をざっくり理解することをおすすめします。
“会計”で気になる点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。
Every day is a new day!
みなさん。今日も春の1日を元気にお過ごしください。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑪ 経常利益・略してケイツネはPLの中で最も重要な利益(よく見せたいという気持ちになりやすい)
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益。なぜこの利益を出す必要があるのか?
⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
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・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」