井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.05.20.Sun | 税金(贈与)

「贈与税がかかる場合~親子間、夫婦間でも贈与税はかかります」~贈与税をわかりやすく①

親子間、夫婦間などの間柄であるからこそ、贈与が発生します。

そうした贈与があった場合は、贈与税の問題を避けてとおることはできません。

今週の日曜日から、身近な税金である贈与税についての考え方を、分かりやすく紹介していきます。

 

今回は

「贈与税がかかる場合~親子間、夫婦間でも贈与税はかかります」

 

贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。

法人から財産をもらったときは、贈与税はかかりません。

所得税がかかります。所得税では一時所得という所得区分になります。

また、よくある贈与税の課税の例ですが、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。(一方、死亡した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、相続税の対象となります)

 

贈与税の課税方法には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります

通常は暦年課税です。しかし、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます(あくまでも相続時精算課税は選択した場合に限ります)。

 

□ 暦年課税

贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。この場合、贈与税の申告は不要です。

※ 毎年こどもや孫に110万円を贈与するときに、気をつけておきたいこと

 

 相続時精算課税

税務署に「相続時精算課税」の適用を受ける旨の書類を、贈与を受けた翌年3月15日までに提出すれば、子が親から多額の財産(2,500万円以下)をもらっても贈与税はかかりません。

納税者から見れば、この課税方法は相続税の基礎控除額の先取りと考えましょう

 

詳しくは、次のとおりです

① 相続時精算課税を選択した贈与者ごとに、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して、贈与税がかかります。

② 期限内申告書は必須(期限内申告書を提出する場合のみ適用できます)。

③ 前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額が、その年の特別控除限度額となります。

 

申告と納税

財産をもらった人が申告と納税をする必要があります。申告と納税の期限は、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間です。

なお、相続時精算課税を適用する場合には、納税額がないときであっても財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に申告する必要があります。

 

延納制度があります

税金は金銭で一度に納めるのが原則です。何年かに分けて納める特別な納税方法として延納制度があります。延納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。

 

贈与税がなぜ課税されるのでしょうか?

課税の理屈としては、「贈与税は相続税の補完税」であるからです。

「相続税は、相続開始時における被相続人の財産を基礎として課税されます。被相続人が生前に相続人その他の親族等に財産を贈与した場合には、この贈与は相続、遺贈、または死因贈与による財産の取得と同一の経済的効果を得るとともに、その贈与財産について相続税は課税されないこととなり租税負担を回避することになります。このような行為を是認したならば相続税の課税の公平が期せられないこととなるため、生前, 財産を贈与した場合には、 相続税を補完するものとして、相続税に比較して税負担の重い贈与税を課税することにしています。つまり、贈与税は相続税の補完税です」

(出所:TAC相続税法基本テキスト)

 

表面的には、贈与税は他の税金に比べて簡単です。しかし、本質的には難しい税金です。

また、親族間の贈与は、特別に気をつけなければならない点があります。

 

 

Every day is a new day!

みなさん、今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

贈与税で誤りやすい事例

・① 自宅の贈与を受け、その後離婚。特例の適用は受けられますか?

・② 父親の土地に、子供の私が自宅を建てて住みます。問題はありますか?    

・③ 父親の借地に、子供の私が自宅を建てました。何か問題は?   

・④ 父親が借地している土地の底地を、息子の私が買い取りました

・⑤ 無償返還予定の土地の贈与を受けました。宅地の評価は

毎年こどもや孫に110万円を贈与するときに、気をつけておきたいこと

・⑥ 気をつけることは?

・⑦ 贈与契約書が必要です

・⑧ その資金はこどもや孫の預金通帳に振り込みましょう

・⑨ 通帳の管理はこどもや孫にまかせましょう

・⑩ もらったお金を、こどもや孫は自由に使えていますか?

・⑪ 贈与税の申告は必要ありませんが、トラブルを生じさせない取扱いとして

・⑫ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合~住宅ローン控除は使えませんか

 

贈与税を中心とした「マイホームの税金」に関するブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kojin/myhome/

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税で誤りやすい事例」

 

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