「PLの中の5つの利益のうち、5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です」~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方⑬
土曜日は、経営者にとって必要な“会計”を紹介します。
経営者の方が自社の決算書の数字を理解して、経営に活かせる“会計”の考え方を解説しています。
今回は「当期純利益」です。
「PLの中の5つの利益のうち、5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です」
決算書の読み方・活かし方の13回目です。
まずは、当期純利益がPLのどこに位置するか?を確認します
当期純利益とは
4つめの利益「税引前当期純利益」から「法人税」や「住民税」などの税金を差し引いたものが当期純利益です。
当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税などの税金
税引前当期純利益の下に記載される法人税などの税金
差し引く法人税などの税金の計算は複雑です。また、利益に課税される税金は、法人税、地方法人税、事業税・地方法人特別税、法人住民税に限られています。
これらの税金が、「法人税等」として税引前当期純利益の下に記載されます。
法人税などの税金の利益に対する実効税率は21.42%~33.80%です。経営・利益計画を検討する場合に、この実効税率を活用します。
ここでは、PLにおいて税引前当期純利益から法人税などの税金を差し引くという仕組みを理解していただければ十分です。
法人などの税金以外の税金は租税公課という科目になります
固定資産税、不動産取得税、印紙税、登録免許税などの税金です。租税公課という科目で販管費に計上されています。
利益が出ているのに法人税等の税金がゼロというPLがあります
少し専門的になりますが、これは「一定期間、赤字を繰り越して損金算入(繰越控除)すること」が認められています。こういう場合には、法人税等は生じません。
当期純利益は配当に影響します
この当期純利益は、会社にとって重要ですが、さらに株主にとっても重要です。特に株式を公開している会社の株主にとって大切です。
というのは、当期純利益は株主への利益配分を決定する重要な数値です。通常は、株主に対して、年2回、中間・期末決算の際に、保有する株数に応じて当期純利益から配当金が支払われるからです。
経営者は「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
そのためには、まずは決算書を直感的にざっくり理解することをおすすめします。
“会計”で気になる点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。
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みなさん。今日も春の1日を元気にお過ごしください。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
⑪ 経常利益・略してケイツネはPLの中で最も重要な利益(よく見せたいという気持ちになりやすい)
⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益。なぜこの利益を出す必要があるのか?
土曜日は「会計」を紹介しています。
ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
「会計超理解ハンドブック(No1~No17)」
会計の勉強を始めた起業者の方に、会計をわかりやすく解説しています。
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
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・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
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