親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合、贈与税がかかります④~住宅ローン控除をチェック
日曜日は「贈与税で誤りやすい事例」を紹介しています。
今回は
「親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合~住宅ローン控除は使えませんか?」
12回目です。
建物所有者以外がリフォーム代金を負担した場合
よくありますよね。親子二代で住むために親の建物を増築またはリフォームする。その資金を新しく住むようになる息子世代が負担する事例です。
親名義の建物に子供が増築等リフォームした場合、増築等リフォーム部分は建物の所有者(親)の所有物となります。
この場合、親が子供に対して対価を支払わないときには、親は子供から増築資金相当額の利益を受けたものとして贈与税が課税されることになります。
しかし、子供が支払った増築資金に相当する建物の持分を親から子供へ移転させて共有とすれば、贈与税は課税されません。このケースの参考記事は次のとおりです。
□ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合、名義変更しなければ贈与税がかかります。
□ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合、贈与税の課税を避けるために工夫が必要です。
□ 親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合、父親の方の譲渡所得にも気をつけます。
今回はそれに関連して、ご質問があった所得税の取扱いの紹介です。
その際に子供が負担したリフォーム資金について
子供がそのリフォーム資金を金融機関等から借り入れたとしても、その借入金は増改築等に係る住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の対象とはなりません。ご注意ください。
住宅借入金等特別控除の適用はありません
住宅借入金等特別控除の対象となる増改築とは、自己が所有し、かつ、自己の居住の用に供する家屋に対して行う増改築に限られています。
したがって、自己の所有しない家屋の増改築を行った後に持分の変更を行って、所有権を得たとしても住宅借入金等特別控除の適用はありません。
次の記事を参考にしてください。
親族間の贈与は、特別に気をつけなければならない点があります。
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みなさん、今日も春の1日を元気にお過ごしください。
「マイホームの税金」に関するブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kojin/myhome/
毎年こどもや孫に110万円を贈与するときに、気をつけておきたいこと
・⑥ 気をつけることは?
・⑦ 贈与契約書が必要です。
・⑪ 贈与税の申告は必要ありませんが、トラブルを生じさせない取扱いとして。
贈与税で誤りやすい事例
・① 自宅の贈与を受け、その後離婚。特例の適用は受けられますか?
・② 父親の土地に、子供の私が自宅を建てて住みます。問題はありますか?
・③ 父親の借地に、子供の私が自宅を建てました。何か問題は?
・④ 父親が借地している土地の底地を、息子の私が買い取りました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
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・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税で誤りやすい事例」
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