井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.04.28.Sat | 経理・会計

「価値を減じて償却する。減価償却費とは何か?」~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方⑩

土曜日は、経営者にとって必要な“会計”を紹介します。

経営者の方が会社の数字をざっくり理解して、経営に活かせる会計の考え方を紹介していきます。

 

今回は、減価償却費の考え方を紹介します。

「価値を減じて償却する。減価償却費とは何か?」

決算書の読み方・活かし方の10回目です。

 

損益計算書の販管費のうちに「減価償却費」という費目があります

会計に馴染みがないと、どんな費用なのかイメージがしにくいですよね。日常生活では使わない言葉ですし、漢字が分かりにくいです。

 

ひとことで言えば「減価償却」とは

高額な事業用設備や資産(建物や車など)の費用を複数年にわたって少しずつ償却(費用として計上)していく仕組みをいいます。

たとえば、100万円の車を買ったなら、4年にわたって毎年25万円ずつ費用として計上することになります。

 

なぜこんなことをするのか?

会計は、「売上に対してかかった費用をできるだけ厳密に対応させよう」とする考え方をとるからです。

 

たとえば車は4年から6年と長期間にわたって利用します

車の購入費用は、購入した年だけでなく、2年目以降も「売上」を獲得する費用として収益に貢献しています。そうした意味から、使用しようとする期間に「売上」に対応する費用として計上しようとするものです。

また、高額な事業用資産を購入した年に、その購入価額の全額を費用に計上すると、その年の利益がゆがめられてしまいます。

費用化する年数は決まっています

こうしたことを防ぐため固定資産については、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で、たとえば建物は20年、車は4年など業種や用途等で、一律に耐用年数(費用にする年数)は決まっています。

 

「毎年、値をじて償却する」という意味から「減価償却」です。

そして「減価償却としての費用」なので、「減価償却費」というネーミングです。

 

減価償却費にはもうひとつ特徴があります

減価償却費は費用として収益から差し引かれますが、机上の手続きで、キャッシュアウトがありません。これが他の費用と大きく違います。

資産を購入したときに、すでにキャッシュアウトは終了しています。

重要な点は、減価償却費はキャッシュフローと関係するという点です。こちら

 

「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。

“会計”で気になる点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。

 

Every day is a new day!

みなさん。今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

土曜日は“会計”を紹介しています。

経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方

・①「借入金の返済に必要なもうけはいくらですか?」こちら(2/24)

・②「決算書の全体像をイメージする」はこちら(3/3)

・③「売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう」はこちら(3/10)

・④「売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります」はこちら(3/17)

・⑤「会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意です」はこちら(3/24)

・⑥「粗利率ではなく粗利益(売上総利益)でみる」はこちら(3/31)

・⑦「販管費とは営業にかかった費用のことをいいます」はこちら(4/7)

・⑧「交際費は年間800万円までが経費になります」はこちら(4/14)

・⑨「本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益」はこちら(4/21)

 

「会計超理解ハンドブック(No1~No17)」

会計の勉強を始めた起業者の方に、会計をわかりやすく解説しています。

・「会計の勉強を始めたが…」はこちら(10/28)

・「財務三表とは?」はこちら(11/4)

・「損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください」はこちら(11/11)

・「損益計算書は前期と比較する」はこちら(11/18)

・「貸借対照表は三つの箱で理解する!」はこちら(11/25)

・「貸借対照表は五つの箱で考える」はこちら(12/2)

・「貸借対照表で現金を増やす方法がわかる」はこちら(12/9)

・「キャッシュフロー計算書は資金繰り表です」はこちら(12/16)

 ・「減価償却費って何ですか?」はこちら(12/23)

 ・「利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる」はこちら(12/30)

・「決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイント『純資産』」はこちら(1/6)

・「貸借対照表のチェックポイント『固定資産と純資産』」はこちら(1/13)

・「C/F計算書のチェックポイントは『営業キャッシュフロー』」はこちら(1/20)

・「貸借対照表は2期分ならべて、比べる」はこちら(1/27)

・「利益の増加とは、自力で資金調達していることと同じです」はこちら(2/3)

・「毎月、試算表を作成して活用する!」はこちら(2/10)

・「月次試算表から資金繰りを把握する方法」はこちら(2/17)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬の改定」

・水曜日は「新事業承継税制」

・金曜日は「相続税をわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税でまちがいやすい事例」

 

 

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