「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」通所介護の論点⑨~平成30年度介護報酬改定の動向
介護報酬改定に係る「通所介護」の主な論点をご紹介します。
次のとおりです。(出所:平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会)
「通所介護」の見直しの主な論点
① 生活機能向上連携加算の見直し
② 心身機能の維持に係るアウトカム評価の創設
③ 機能訓練指導員の確保の促進
④ 栄養改善の取組の推進
⑤ 基本報酬のサービス提供時間区分の見直し
⑥ 規模ごとの基本報酬の見直し
⑦ 設備に係る共用の明確化
⑧ 共生型通所介護
⑨ 介護職員処遇改善加算の見直し
今回は
「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」
です。
分科会では「介護職員処遇改善加算」について議論がありました。
(平成29年11月29日 第153回介護給付費分科会)
「介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)」や「介護職員処遇改善加算のあり方」についての意見や議論の内容は、こちら(訪問介護の論点⑥)を参考にしてください。
この課題に対して、「介護職員処遇改善加算」は次のとおり見直しが行われます。
(平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会)
□ この見直しは、サービス共通の見直しになります。
□ 介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)については、要件の一部を満たさない事業者に対し、減算された単位数での加算の取得を認める区分であることや、当該区分の取得率や報酬体系の簡素化の観点を踏まえ、これを廃止します。その際、一定の経過措置期間を設けます。
(下図を参考にしてください)
「介護職員処遇改善加算」の内容については、同じくこちら(訪問介護の論点⑥)を参考にしてください。
「介護職員処遇改善加算」を振り返ってみますと
平成29年4月に「2017年度介護報酬改定」が実施されました。慢性的な介護人材不足が続く中、介護職員処遇改善加算の算定要件を見直し、介護職員1人につき平均1万円程度の賃金改善を行うというものでした。算定できれば人材確保がより有利になるということで、拡充後の「新加算Ⅰ」を取られた事業所は全体の約7割です。さらに加算Ⅱを含めると加算を取得している事業所は約80%の割合を占めます。
賃金改善は大切なことですが、より重要なことは「人材育成制度への取り組み」です
□ 法人の将来を見すえて、きちんと機能する人が育つキャリアパスを策定することです。
□ 法人のミッションに沿って、どのような役割や能力をもつ人材を育成し、どのような行動指針に基づいて評価し、昇格・昇級させていくか?これらの人材の育成・評価のプロセスを盛り込んだ人材育成制度に、法人が取り組む必要があります。
□ 機能しているキャリアパスでは、職員が給与面などで将来に希望を持って働くことでき、育った職員が昇格して組織の中核メンバーを担っていくとともに、新しく入職する人の手本となります。良い人材が集まり、育っていく好循環を生み出せる人材育成制度です。結果としてサービスの質が向上し、離職率も低くなります。
(出所:「日経ヘルスケア4月号」エイデル研究所 小林雄二郎氏)
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火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として記事を紹介しています。平成30年度介護報酬改定の動向
「通所介護」改定の主な論点
・①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(3/13)
・②「心身機能の維持に係るアウトカム評価の創設とは何か?」はこちら(3/15)
・③「機能訓練指導員の確保の促進とは何か?」はこちら(3/20)
・④「栄養改善の取組の推進とは何か?」はこちら(3/27)
・⑤「基本報酬のサービス提供時間区分の見直しとは何か?」はこちら(3/29)
・⑥「規模ごとの基本報酬の見直しとは何か?」はこちら(4/3)
・⑦「設備に係る共用の明確化とは何か?」はこちら(4/5)
・⑧「共生型通所介護とは何か?」はこちら(4/10)
「訪問介護」改定の主な論点
・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)
・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)
・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)
・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)
・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)
・論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(2/27)
・論点⑦「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か」はこちら(3/1)
・論点⑧「共生型訪問介護とは何か?」はこちら(3/6)
・論点⑨「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」はこちら(3/8)
「訪問看護」改定の主な論点
・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)
・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)
・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)
・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)
・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)
・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)
「居宅介護支援」改定の主な論点
・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)
・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)
・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)
・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)
・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)
・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)
有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について
・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)
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