「売上原価と売上総利益は金額は大切ですが。率をチェックしましょう!大切なことが分かります」~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方④
土曜日は、経営者にとって必要な“会計”を紹介します。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方として、経営者の方が会社の数字をざっくり理解して、融資や経営に活かせる会計の考え方を紹介していきます。
今回は
「売上原価と売上総利益は金額は大切ですが。率をチェックしましょう!大切なことがわかります」
です。
売上総利益とは売上高から売上原価を引いた利益です。「粗利(あらり)」とも呼ばれます。売上原価とは、売上を上げるために仕入れた商品の原価のことです。
(下図参照)
参考はこちら「損益計算書は5つの利益だけ覚えてください!」
具体的に紹介していきます。下の図をみてください。
2017年は、売上高は280百万円から270百万円に減っています。
通常は売上原価と売上総利益は、売上高に比例して変化します。売上原価は変動費ですので通常は次のような関係になります。
売上高 ↑ → 売上原価(仕入高) ↑(売上総利益↑)
または
売上高 ↓ → 売上原価(仕入高) ↓(売上総利益↓)
しかし、売上総利益は60百万円(2016年)から73百万円(2017年)に増加しています。ここで「売上高が減少したのに、売上総利益が増えたのは何故なのか?」という疑問を持って、その理由を検討することが大切になります。
ここでは、金額よりも「率」に注目することをおすすめします。
率とは、売上原価を売上高で割った「売上原価率」と、売上総利益を売上高で割った「売上総利益率」です。
下の図を見ていただくと売上原価率が78%から73%へ下がり、売上総利益率が22%から27%に上昇しています。その結果、売上が減少しているにもかかわらず、売上総利益が13百万増えているわけです。
その売上総利益率が改善した理由を精査し、次回の経営に活かしていくわけです。
その理由は、例えば
①利益率の高い商品の売上が上昇した。②仕入れ価格が下がった。③販売価格を見直し、引き上げることに成功した、などが考えられます。
売上を全体額で見ても何もわかりません。分析するこつは、例えば①月別、②部門別・製品別、③単価×数量に分解して調べることです。最初はできるところから、ざっくりとした分析に取り組まれたらいかがでしょうか。
“会計”で経営の本質が見えてきます。
「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことをおすすめします。
“会計”で気になる点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。
Every day is a new day!
みなさん!今日も春の1日を元気にお過ごしください。
土曜日は“会計”を紹介しています。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
・①「借入金の返済に必要なもうけはいくらですか?」こちら(2/24)
・②「決算書の全体像をイメージする」はこちら(3/3)
・③「売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう」はこちら(3/10)
「会計超理解ハンドブック(No1~No17)」
会計の勉強を始めた起業者の方に、会計をわかりやすく解説しています。気楽にお読みください。
・「会計の勉強を始めたが…」はこちら(10/28)
・「財務三表とは?」はこちら(11/4)
・「損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください」はこちら(11/11)
・「損益計算書は前期と比較する」はこちら(11/18)
・「貸借対照表は三つの箱で理解する!」はこちら(11/25)
・「貸借対照表は五つの箱で考える」はこちら(12/2)
・「貸借対照表で現金を増やす方法がわかる」はこちら(12/9)
・「キャッシュフロー計算書は資金繰り表です」はこちら(12/16)
・「減価償却費って何ですか?」はこちら(12/23)
・「利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる」はこちら(12/30)
・「決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイント『純資産』」はこちら(1/6)
・「貸借対照表のチェックポイント『固定資産と純資産』」はこちら(1/13)
・「C/F計算書のチェックポイントは『営業キャッシュフロー』」はこちら(1/20)
・「貸借対照表は2期分ならべて、比べる」はこちら(1/27)
・「利益の増加とは、自力で資金調達していることと同じです」はこちら(2/3)
・「毎月、試算表を作成して活用する!」はこちら(2/10)
・「月次試算表から資金繰りを把握する方法」はこちら(2/17)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」
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