「記帳から確定申告までの準備をざっくりとイメージしてください!」~開業前に知っておきたい経理と消費税の基礎知識④
開業のための基礎知識を、次の順序で説明しています。
1 個人事業を始める場合の各種届出と確定申告
2 事業の具体的な準備(資金調達・借入や助成金の活用など)
3 事業計画の作成
その中で開業前に知っておきたい経理と消費税の知識を次のとおり紹介しています。
① 個人事業用の普通預金通帳で資金管理をする。
② 経理の必要性~将来の経営計画を立てるための重要な資料になります。
③ 経理の記帳方法~会計ソフト利用の検討をおすすめします。
④ 記帳から確定申告までの準備をざっくりとイメージしてください。
⑤ 消費税の課税事業者と免税事業者
⑥ 原則課税と簡易課税
⑦ 帳簿・証拠書類は整理して保存する。
今日は
「記帳から確定申告までの準備をざっくりとイメージしてください!」
です。
毎日の取引を記帳して事業年度の終了日には決算をします。
もちろん確定申告のために必要な処理ですが、決算にはさらに大切な意味があります。
その意味は「経理は事業の将来性を計る指標になる」からです。
日常の取引の記帳から確定申告までのスケジュールは次のようなものです。
① 原則、毎日(取引は少ない場合は1週間に1回でも問題はありません)、領収証・請求書を整理して、帳簿につけます。
② 月末に1度、帳簿を集計します。
③ 翌年1月頃に、前年1年間の帳簿を精査して、修正・追加・削除等を行います。決算整理をして、帳簿を締め切ります。
④ 確定申告(期間:2/16~3/15)
ⅰ 申告書と青色申告決算書(白色の場合は収支内訳書)を準備します。
ⅱ 源泉徴収票や証明書(生命保険料控除証明書や住宅ローン残高証明書など)を準備
します。
ⅲ 申告書や決算書を作成・完成して、税務署に提出します。
⑤ 決算書の内容から、売上や経費などの内容や過年度との金額を比べて、次年度の事業計画を修正・改善します。
年末から確定申告に向けて準備します
法人の場合は任意に事業年度を決めることができますが、個人事業者は1月1日(年度中途に事業開始であればその事業開始の日)から12月31日までが事業期間になります。その事業期間(1/1~12/31)で帳簿を締めて、翌年3月15日までの確定申告に向けて準備をするわけです。
開業届出書を提出していれば税務署から確定申告に必要な書類は送付されます。
ただし、e-Taxを利用して確定申告を行った翌年(翌事業年度)分の申告書等の用紙については送付されませんので、ご注意ください。
現在、確定申告の真っ最中ですが、定期的に記帳をしておれば、確定申告はあわてることなくすませることができます。定期的な記帳で、月次で数字を把握することが可能になります。継続的な記帳をおすすめします。
「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」には、経理をしっかりと処理して、会計数字をもとに意思決定することが大切です。
そのための道具が「経理」です。
開業の手続きや税金で気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
Every day is a new day!
みなさん!今日も春の1日を元気にお過ごしください。
月曜日は「開業のための基礎知識」~初めて開業する方に、開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えしています。
事業開始前に知っておきたい経理と消費税の基礎知識
・「普通預金通帳で資金管理をする!~基礎知識①」はこちら(2/19)
・「経理の必要性!経理は将来性を計る指標です~基礎知識②」はこちら(2/26)
・「経理の記帳~会計ソフト利用の検討をおすすめします!③」はこちら(3/5)
事業を始める場合の届出と手続き
・「開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えします」はこちら(10/30)
・「社会保険の変更の手続きが必要になります」はこちら(11/6)
・「給与所得の源泉徴収票の保管を忘れずに」はこちら(11/13)
・「退職後の住民税の支払いを忘れずに」はこちら(11/20)
・「事業主としてリスクに備える“小規模企業共済”がおすすめです」はこちら(11/27)
・「商売の看板『屋号(社名)』をつける」はこちら(12/4)
・「事業の各種届出から確定申告まで」はこちら(12/11)
・「青色申告はどうすればよい?届出は税務署からスタートします」はこちら(12/18)
・「青色事業専従者給与に関する届出書を忘れずに提出しましょう」はこちら(12/25)
・「給与支払事務所等の開設届出書を忘れずに提出しましょう」はこちら(01/01)
・「『減価償却資産の償却方法の届出書』を提出することができます」はこちら(1/8)
・「消費税!個人事業者は、事業開始年は免税事業者になります」はこちら(1/15)
・「手続きをすれば、事業の開始年に消費税の還付を受けることができます」はこちら(1/22)
・「労働基準監督署への届出~労働基準監督署で労災手続きをします」はこちら(1/29)
・「ハローワークへの届出」はこちら(2/5)
・「日本年金機構への届出~個人事業でも基準を満たせば加入します」はこちら(2/12)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」
・水曜日は「事業承継・税理士の視点」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税で誤りやすい事例」