「借入金の返済に必要なもうけはいくらですか?」~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方①
土曜日は、経営者にとって必要な“会計”を紹介します。
今回は
「借入金の返済に必要なもうけはいくらですか?」を紹介します。
10/28から2/17まで、17回にわたり「会計超理解ハンドブック」として、会計の勉強を始めた起業者の方に、財務三表から月次試算表まで経営に必要な基本的な会計をわかりやすく解説してきました。
今回から、これをさらに一歩すすめて「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」として、経営者の方が会社の数字を正確に理解して、融資や経営に活かせる会計の考え方を紹介してきます。
目標の利益をいくらにするか?その設定の利益は様々です。
例えば
① 長期借入金の返済額から → 返済額を収益で償還できる目標利益を設定する
② 赤字を解消する → 収支をトントンとすることを目標とする
③ 新規事業の資金を確保 → 新規事業の資金を蓄積するための利益を目標とする
④ 自己資本比率から → 将来の目標とする自己資本比率から逆算する
資金繰りを考えて、長期借入金の返済を目標とした利益設定が大切です
長期借入金は、会社が将来あげる利益を前借りしているものです。利益を前もって借りていますから、会社が赤字だと返せなくなります
利益が出ていないと、借入金を返済することができないからです。
したがって、長期借入金の返済を滞りなく行うだけの利益を、最初の経営の目標にすべきです。
借入金の返済に必要な儲けをどう計算するか?
目安となる利益は損益計算書から次のように計算してください。いたって簡単ですのでぜひ自社の数字をご確認ください。
借入金返済に必要な利益金額 = 当期純利益 + 減価償却費
したがって、次の状態になっていれば、利益で借入金を滞りなく返済できています
当期純利益 + 減価償却費 > 借入金の元金返済額
もし、これが逆で、「当期純利益 + 減価償却費 < 借入金の元金返済額」という状態になっていれば、追加融資等の資金繰りのやりくりで返済されており、実質上、借金は返せていないと考えてください。
まずは、「自社にとって借金を返すのに、おおよそ利益がいくら必要か」を知るために、決算書の活用をおすすめします。
このことは、経営を考えるにあたって決して無駄にはなりません。
会計で気になる点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。初回無料です。
Every day is a new day!
みなさん!今日も冬の1日を元気にお過ごしください。
経営者には、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことは必須です。
そのために経営者目線で会社の成績をあらわす決算書の読み方・活かした方を押さえておくことをおすすめします。
土曜日は“会計”を紹介しています
「会計超理解ハンドブック(No1~No17)」
会計の勉強を始めた起業者の方に、会計をわかりやすく解説しています。
気楽にお読みください。
・「会計の勉強を始めたが…」はこちら(10/28)
・「財務三表とは?」はこちら(11/4)
・「損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください」はこちら(11/11)
・「損益計算書は前期と比較する」はこちら(11/18)
・「貸借対照表は三つの箱で理解する!」はこちら(11/25)
・「貸借対照表は五つの箱で考える」はこちら(12/2)
・「貸借対照表で現金を増やす方法がわかる」はこちら(12/9)
・「キャッシュフロー計算書は資金繰り表です」はこちら(12/16)
・「減価償却費って何ですか?」はこちら(12/23)
・「利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる」はこちら(12/30)
・「決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイント『純資産』」はこちら(1/6)
・「貸借対照表のチェックポイント『固定資産と純資産』」はこちら(1/13)
・「C/F計算書のチェックポイントは『営業キャッシュフロー』」はこちら(1/20)
・「貸借対照表は2期分ならべて、比べる」はこちら(1/27)
・「利益の増加とは、自力で資金調達していることと同じです」はこちら(2/3)
・「毎月、試算表を作成して活用する!」はこちら(2/10)
・「月次試算表から資金繰りを把握する方法」はこちら(2/17)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」
・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」
・金曜日は「相続税についてわかりやすく」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日の「住宅取得等資金の贈与の非課税の誤りやすい事例」